ローマ・カトリック教会最高指導者、ローマ法王べネディクト16世は25日、ローマ近郊の夏季用別荘ガンドルフォでイラクのマリキ首相と会談した。
バチカン法王庁が明らかにしたところによれば、両者はイラクの現状、特に、少数宗派のキリスト信者の危機について意見の交換をした(イラク首相の法王訪問は今回が初めて。ただし、タラバニ大統領が2005年、バチカンを訪問している)。
戦争前に約85万人いたイラクのキリスト教信者(同国人口約3%に相当)は今日、半分以上が国外に避難し、同国南部ではもはやキリスト教のプレゼンスはなく、首都バグダッドと同国北部にかろうじてキリスト教社会が生きのびているだけだ。イラク北部モスルで3月13日、武装集団に殺害されたカルデア典礼カトリック教会のパウロス・ファライ・ラホ大司教の遺体が見つかっている。
イラクばかりではない。イスラム教を国教とする中東地域、イラン、エジプト、サウジアラビア、アルジェリアではキリスト教信者への弾圧は日常茶飯事だ。サウジではイスラム教以外の宗教は禁止され、他宗教が公の場で宣教することは許されていない。キリスト教信者は家庭で礼拝をするだけだ。教会建物も十字架もない。違反すると、当局の弾圧を余儀なくされる。同国には約800万人の外国人労働者が働いているが、その中には100万人以上のカトリック信者(主にフィリピン人)が含まれる。彼らは同国ではクリスマスも復活祭も祝う事が出来ない。
イランではキリスト教に改宗した夫婦が秘密警察に拘束され、拷問を受ける一方、子供たちはイスラム教宗教施設に送られて強制教育を受けさせられている(イランのキリスト教信者は推定40万人)。アルジェリアでも2人のキリスト教信者がイスラム信者を改宗させようとしたという容疑で実刑判決を受けたばかりだ。エジプトでは5月末、4人のコプト派のキリスト教信者が武装グループによって殺害された(同国では約8%がキリスト教信者)。
イラク出身の友人記者アミール・ベアテイ氏は「欧米居住のイスラム教徒はキリスト教社会でのイスラム教徒弾圧を批判するが、彼らは実際、母国よりも大きな信教の自由を欧米社会で享受していることを忘れている。イスラム教国ではキリスト教会建設や宣教など問題外だ。宗教の自由問題では、イスラム教国は少数宗派の存在を認めない確信犯だ」という。
バチカン法王庁が明らかにしたところによれば、両者はイラクの現状、特に、少数宗派のキリスト信者の危機について意見の交換をした(イラク首相の法王訪問は今回が初めて。ただし、タラバニ大統領が2005年、バチカンを訪問している)。
戦争前に約85万人いたイラクのキリスト教信者(同国人口約3%に相当)は今日、半分以上が国外に避難し、同国南部ではもはやキリスト教のプレゼンスはなく、首都バグダッドと同国北部にかろうじてキリスト教社会が生きのびているだけだ。イラク北部モスルで3月13日、武装集団に殺害されたカルデア典礼カトリック教会のパウロス・ファライ・ラホ大司教の遺体が見つかっている。
イラクばかりではない。イスラム教を国教とする中東地域、イラン、エジプト、サウジアラビア、アルジェリアではキリスト教信者への弾圧は日常茶飯事だ。サウジではイスラム教以外の宗教は禁止され、他宗教が公の場で宣教することは許されていない。キリスト教信者は家庭で礼拝をするだけだ。教会建物も十字架もない。違反すると、当局の弾圧を余儀なくされる。同国には約800万人の外国人労働者が働いているが、その中には100万人以上のカトリック信者(主にフィリピン人)が含まれる。彼らは同国ではクリスマスも復活祭も祝う事が出来ない。
イランではキリスト教に改宗した夫婦が秘密警察に拘束され、拷問を受ける一方、子供たちはイスラム教宗教施設に送られて強制教育を受けさせられている(イランのキリスト教信者は推定40万人)。アルジェリアでも2人のキリスト教信者がイスラム信者を改宗させようとしたという容疑で実刑判決を受けたばかりだ。エジプトでは5月末、4人のコプト派のキリスト教信者が武装グループによって殺害された(同国では約8%がキリスト教信者)。
イラク出身の友人記者アミール・ベアテイ氏は「欧米居住のイスラム教徒はキリスト教社会でのイスラム教徒弾圧を批判するが、彼らは実際、母国よりも大きな信教の自由を欧米社会で享受していることを忘れている。イスラム教国ではキリスト教会建設や宣教など問題外だ。宗教の自由問題では、イスラム教国は少数宗派の存在を認めない確信犯だ」という。