シリアが北朝鮮の核技術支援を受けて建設中だった原子炉をイスラエル空軍が昨年9月、空爆したが、米情報機関は今年4月、建設中の原子炉の衛星写真を公表し、シリアで建設中の原子炉は北朝鮮の寧辺で操業していた黒鉛減速型原子炉と酷似していたとして、「シリアが北朝鮮から核技術支援を受けていたことを裏付けている」と分析している。
ところで、国際原子力機関(IAEA)の3人の調査団は今月22日、シリアを訪問し、空爆された現地アルキバルまで足を伸ばして視察したが、「IAEAは土壌サンプルを採取したが、何も検証できないだろう」と予想されている。ちなみに、シリアは「空爆された施設は原子炉ではなく、軍事施設だった」と説明し、未申告の核活動ではないと否定している。以上、メディアが既に報道してきた内容だ。
ここからは少々違ってくる。米国、英国、フランスはシリアの核問題をこれ以上追及する考えはないという。欧米とシリア間で既に合意が出来上がっている可能性があるのだ。具体的には、欧米側はダマスカスの核問題をこれ以上糾弾しない一方、シリア側は核開発計画を放棄し、レバノンのヒズボラ支援を停止すること。それらが実施されれば、欧米は同国の国際社会復帰を支援し、経済・金融制裁を解除するといったものだ。
ここまで説明すれば、リビアを想起するだろう。リビアは2003年3月頃に英米との交渉を始め、化学・生物・核兵器関連の計画についての情報を両国に提供し、同年12月、核開発計画の放棄を発表した。それと引き換えに、欧米側はリビアの国際社会復帰を支援してきたわけだ。同じように、シリアのアサド大統領は英米らと秘密交渉を行ない、りビアのカダフィ大佐が歩んだ道を密かに歩み出したというのだ。
このシナリオが正しいとすれば、レバノン問題の解決は現実的となり、パレスチナ人問題を含む中東問題で大きな変革が生じる可能性が考えられる。その結果、イスラエルとシリア間の接近が始まる一方、イランの孤立化が一層進むわけだ。
ただし、先述したシナリオの問題点は、シリアが、イランが提供する原油支援を断念し、国の将来を欧米の強国に委ねることが出来るかだ。リビアは原油輸出国であり、他国からのエネルギー支援を必要としていなかったが、シリアはイランのエネルギー支援に依存しているからだ。
ところで、国際原子力機関(IAEA)の3人の調査団は今月22日、シリアを訪問し、空爆された現地アルキバルまで足を伸ばして視察したが、「IAEAは土壌サンプルを採取したが、何も検証できないだろう」と予想されている。ちなみに、シリアは「空爆された施設は原子炉ではなく、軍事施設だった」と説明し、未申告の核活動ではないと否定している。以上、メディアが既に報道してきた内容だ。
ここからは少々違ってくる。米国、英国、フランスはシリアの核問題をこれ以上追及する考えはないという。欧米とシリア間で既に合意が出来上がっている可能性があるのだ。具体的には、欧米側はダマスカスの核問題をこれ以上糾弾しない一方、シリア側は核開発計画を放棄し、レバノンのヒズボラ支援を停止すること。それらが実施されれば、欧米は同国の国際社会復帰を支援し、経済・金融制裁を解除するといったものだ。
ここまで説明すれば、リビアを想起するだろう。リビアは2003年3月頃に英米との交渉を始め、化学・生物・核兵器関連の計画についての情報を両国に提供し、同年12月、核開発計画の放棄を発表した。それと引き換えに、欧米側はリビアの国際社会復帰を支援してきたわけだ。同じように、シリアのアサド大統領は英米らと秘密交渉を行ない、りビアのカダフィ大佐が歩んだ道を密かに歩み出したというのだ。
このシナリオが正しいとすれば、レバノン問題の解決は現実的となり、パレスチナ人問題を含む中東問題で大きな変革が生じる可能性が考えられる。その結果、イスラエルとシリア間の接近が始まる一方、イランの孤立化が一層進むわけだ。
ただし、先述したシナリオの問題点は、シリアが、イランが提供する原油支援を断念し、国の将来を欧米の強国に委ねることが出来るかだ。リビアは原油輸出国であり、他国からのエネルギー支援を必要としていなかったが、シリアはイランのエネルギー支援に依存しているからだ。
シリアは昔、OPEC加盟も考えたことがありましたが、同国は目下、日量30万バレルも生産できず、輸出どころか、国内需要も賄えないのが現実です。シリアは今日、純原油輸出国ではありません。原油採掘技術もなく、老朽した施設が主体です。
今後とも宜しくお願いします。