サッカー欧州選手権(ユーロ2008)のBグループ戦、ホスト国オーストリア対強豪ドイツの対戦が16日夜、ウィーン市のエルンスト・ハッベル競技場で行われ、ドイツが1−0で勝利した。結果は至極当然だ。ワールドカップ(W杯)と欧州選手権をそれぞれ3度制覇した強豪ドイツに対して、ユーロ2008スタート直前の練習試合でマルタを破り、FIFAランキングが101位から92位となったオーストリアでは、勝敗は試合前から分かり切っていたことだ(アルプスの小国オーストリアがドイツを破ったのは22年前の1986年まで遡らなければならない)。
 しかし、ドイツは今回、対ポーランド戦では勝利したが、対クロアチア戦では1対2と敗北した直後だ。オーストリアに勝利しなければ8強入りが難しくなる。一方、オーストリアは対ポーランド戦で1−1と引き分けるなど、大健闘した。対ドイツ戦で奇跡が起きれば、8強入りも視野に入る。そのため、両チームは最初から必死だった。
 試合は前半、オーストリアが果敢に前に出て、ドイツを窮地に追い込む場面もあったが、後半は地力を発揮し出したドイツが試合の主導権を握り、スーパー・スター、MFバラック選手がゴールを直撃するFKで試合を決定した。
 ところで、試合前、オーストリア対ドイツ戦を「ダビデとゴリアテの戦い」と報じたオーストリアのメディアもあった。ダビデとゴリアテの話は旧約聖書のサムエル記上17章1節〜51節で語られている。少年ダビデがペリシテ人の巨人兵士ゴリアテを、石を投げてやっつける話だ。しかし、オーストリアのイレブンは遂にダビデにもなれずに、強豪ドイツのゴリアテにやられてしまった。スポーツの世界ではダビデはただの少年のままだった。
 試合当日、市内のファン地帯には10万人余りが巨大なスクリーンで観戦しながら試合を追った。ドイツからは約4万人のファンが列車や車でウィーン入りして、声援を送っていた。ちなみに、約200万人の国民が試合をTV観戦したという。
 オーストリアがグループ戦で破れた結果、ユーロ2008のホスト国スイスとオーストリアの両チームは早々と姿を消した。オーストリアを応援してきた当方はいま、「祭りの後のわびしさ」を感じているところだ。