欧州連合(EU)の欧州委員会学校児童栄養問題専門家グループは7月初め、学生児童向けの栄養プログラムを提示する予定、というニュースがブリュッセルから流れてきた。その背景には、子供たちの肥満問題があるという。
 そういえば、街を歩いていても肥満児を結構見かける。オーストリアでも6歳から14歳の児童の22%以上が太り気味というデーターを聞いたことがある。肥満は心臓病、高血圧、糖尿病などの原因となり、それらの成人病の増加はEU加盟国の医療費を増加させる結果となって跳ね返ってくる。
 甘い飲食が店だけではなく、学校内にも溢れている。休憩時間に自動販売機から砂糖が入ったドリンクを自由に買える。そこで2年前、EUの要請を受けて、欧州清涼飲料協会が学校内の自動販売機を撤廃し、子供向けの宣伝を中止するなど自主規制を発表したほどだ。
 児童の栄養問題の改善を最初に呼びかけた人、といえば英国の著名な料理家ジェミー・オリバー(Jamie Oliver)さんの名前を思い出す。オリバーさん(33歳)はファースト・フードではなく、手作りの料理を子供たちに食べさせるべきだと主張し、学校給食の改善を教育関係者、児童のお母さんたちに呼びかけてきた若き料理人だ。しかし、当初は学校関係者ばかりか、児童の親からも強い反対があった、と聞いている。
 当方は時たま、オリバーさんのTV料理番組を見る。限られた食材から手作り料理をつくる姿をみて、「これはいい番組だ」と感動している。英国内だけではなく、イタリア、そして日本にも出かけ、その国の食材を利用して料理を作る場面を思い出す。
 何を食べるかでその人の健康が左右される、といわれる。その意味で、若いときから自然の食材を使った健康食を食べる食習慣をつければ、その人の生涯の財産だ。大げさに表現するならば、健康な子供は国の、そして世界の宝でもある。
 EUが児童の栄養問題に取り組みだした背景には、オリバーさんのアピールがあったと聞く。その意味で、オリバーさんの地道な啓蒙活動は成果をもたらしたわけだ。
 オスロのノルウェー平和賞委員会は毎年、ノーベル平和賞を発表するが、子供たちの栄養改善を主張してきたオリバーさんは平和賞受賞に相応しい。