人間の五感では認知できない世界、「目に見えない世界」が存在するかどうか、意見が分かれるところだが、当方はその世界の実在を信じている。われわれは、いい悪いは別として、その世界から影響を受けているが、認識できない場合が多い。逆にいえば、その世界の実相が分かれば、多くの謎が解明できると信じる。
 ウィーン市のケーキの老舗「ザッハー家」は久しく「自殺の家系」といわれてきた。同家では代々、自殺者が出た。そのため、同家の関係者は「自殺はわが家の疾患だ」と嘆いていた。「目に見えない世界」からいえば、その「家庭の過去」に問題が潜んでいるはずだ。
  また、ある限られた地域に自殺者が多いという現象がある。オーストリア、ハンガリー両国では昔から自殺者が多いことから、社会学者から「自殺エリア」と呼ばれていたほどだ。その「場所(地域)の過去」が問題となる例だ。その「過去」を解明して、適切な対応を取らない限り、問題は未解決のまま、何世代にも及ぶことになるわけだ。
 「目に見えない世界」が生きている人間世界に影響を与える、ということは、「死者も生きた存在」であることを証明している。亡くなった祖父母や両親は消滅したのではなく、「目に見えない世界」に移動しただけだ。その「目に見えない世界」からさまざまな信号が発信されるため、われわれは時には不可解な現象や謎に直面する(米国では心霊研究が進んでいる。同研究には、一線の科学者が取り組んでいる)。
 ここで看過できない点は、生まれて死ぬまで幸福だった人は一人もいない、という事実だ。すなわち、「目に見えない世界」の住民の多くは幸福な人々ではないのだ。悲しみ、恨み、欲望がそのまま続く世界だ。彼等は「過去の負債」から解放され、幸福になりたいため、われわれに影響を及ぼしてくる(仏教が「先祖供養」の重要性を説くのはその為だ)。
 「目に見えない世界」に定住できず、肉体の死後も地上世界で浮遊している人々は数え切れないほどだ。そして、地上で多くの問題を起こすのは、「目に見えない世界」に定着した人々ではなく、地上世界で浮遊している「死んだ人々」だ。
 当方が好きな米国TV番組に「Ghost Whisperer」という番組がある。主人公の女性はこの「死んだ人々」と交信できる。彼女は死んだ人々の悲しみ、恨みを聞き、それを解き明かすことで、彼等を所定の霊界に送る、というストーリーだ。
 「目に見えない世界」が分かり、絡んだ歴史が解明されれば、われわれも「死んだ人々」と交流ができ、互いに許し、愛する事が出来る道が必ず切り開かれるはずだ。