友人のスーダン出身記者がようやくウィーンに戻ってきた。約1カ月間、母国スーダンのほか、エジプトや他のアフリカ諸国を取材してきたという。ウィーンの気温は日中平均15度だが、スーダンでは45度以上だった、という。気温の相違もあって、「ウィーン生活に戻るまで少し時間がかかる」という。
当方は過去2回、40度の気温を体験したことがあると話すと、友人は笑いながら「欧州の40度より、スーダンで50度の気温の方が過ごしやすいよ」と言い出した。どうしてか、聞くと、彼は「50度近くになると、汗で熱が皮膚から出て行き、その後は気分が爽快だ。夏の時期になれば、空気が乾燥しているため、朝、トイレ(小便)にいけば、夜までトイレに行かなくても体内の水は全て汗で出て行く。もちろん、日中、多くの水分を摂取するが、全て汗と共に出て行くから問題ではない」という。スーダンの夏はトイレが不必要なのだ。
一方、欧州では湿気があるため、気温が高くなれば、体は汗をうまく排出できないため、気分は快適でないし、水分を取ればそれだけトイレにいく回数も増える。「スーダンの50度の方が過ごしやすい」ということになるわけだ。
当方はこのコラム欄で「スーダンと『自殺』の話」(2007年6月5日掲載)を紹介したことがある。家族間の繋がりが強い同国では、1人になって自殺を考え、計画、実施できる空間やタイミングがないという。友人は「そもそも独り住まいのスーダン人なんて、ほとんどいない。親戚や家族と一緒に生活している。食事も1人で食べることはない。だから、独り、寂しく悩み、そして自殺を考える、といった“離れ業”はわが国ではあり得ない話だ」と語ってくれたことを思い出す。
スーダンといえば、南北間の民族紛争やダルフール紛争を直ぐに思い出すが、スーダン人の生活や環境については余り知られていない。だから、友人から聞く「スーダンの話」はとても新鮮で、時には感動すら覚える。
当方は過去2回、40度の気温を体験したことがあると話すと、友人は笑いながら「欧州の40度より、スーダンで50度の気温の方が過ごしやすいよ」と言い出した。どうしてか、聞くと、彼は「50度近くになると、汗で熱が皮膚から出て行き、その後は気分が爽快だ。夏の時期になれば、空気が乾燥しているため、朝、トイレ(小便)にいけば、夜までトイレに行かなくても体内の水は全て汗で出て行く。もちろん、日中、多くの水分を摂取するが、全て汗と共に出て行くから問題ではない」という。スーダンの夏はトイレが不必要なのだ。
一方、欧州では湿気があるため、気温が高くなれば、体は汗をうまく排出できないため、気分は快適でないし、水分を取ればそれだけトイレにいく回数も増える。「スーダンの50度の方が過ごしやすい」ということになるわけだ。
当方はこのコラム欄で「スーダンと『自殺』の話」(2007年6月5日掲載)を紹介したことがある。家族間の繋がりが強い同国では、1人になって自殺を考え、計画、実施できる空間やタイミングがないという。友人は「そもそも独り住まいのスーダン人なんて、ほとんどいない。親戚や家族と一緒に生活している。食事も1人で食べることはない。だから、独り、寂しく悩み、そして自殺を考える、といった“離れ業”はわが国ではあり得ない話だ」と語ってくれたことを思い出す。
スーダンといえば、南北間の民族紛争やダルフール紛争を直ぐに思い出すが、スーダン人の生活や環境については余り知られていない。だから、友人から聞く「スーダンの話」はとても新鮮で、時には感動すら覚える。