パラグアイ大統領選で20日、元カトリック司教のフェルナンド・ルゴ氏がオベラル前教育相ら対抗候補者を破り、当選した。野党連合「変革のための愛国同盟」を率いてきたルゴ氏は、選挙戦では約60年続いたコロラド党政権の交代を訴えると共に、汚職の一掃、社会福祉の重視などを掲げ、国民の3割以上を占める貧困層の支持を得て勝利した。
ルゴ氏はサンペドロ教区司教として2004年まで従事してきたカトリック教会司教だったが、06年から政治活動に乗り出したために、聖職停止を受けた人物だ。教会法では、聖職者は世俗社会の公職(政治)に従事することが禁止されている。
ところで、ローマ・カトリック教会総本山バチカン法王庁はルゴ氏の大統領当選に対して慎重な立場を堅持している。バチカン報道官のフェデリコ・ロンバルディ神父は22日、「ルゴ氏への対応を急いで下す考えはない」と述べ、バチカンが現時点ではパラグアイ次期大統領に選出されたルゴ氏の教会破門処分を考えていないことを示唆している。
ルゴ氏はまた、解放神学の支持者として有名だ。貧者の教会といわれる南米教会では解放神学を支持する聖職者が多い。ルゴ氏は最貧困地域では「貧者の聖人」と呼ばれてきた。それだけに、バチカンとしては同氏への対応に慎重にならざるを得ない事情があるわけだ。
エリート教会の欧州教会出身のローマ法王ベネディクト16世は教理省長官時代、「解放神学の背後にはマルクス主義が潜んでいる」として、解放神学を厳しく批判してきた経緯がある。ただし、貧困に喘ぐ南米に対して、法王は具体的な解決策を提示してこなかった。同16世は昨年5月、ブラジルで開催された第5回南米・カリブ地域司教会議でも中絶問題、貧困問題、解放神学の台頭など深刻な問題を抱える南米教会指導者たちに、「キリストの福音に帰ることが唯一の道である。神を知るならば、解決は可能だ」と語っただけだ。
それに対し、ルゴ氏は聖職を放棄して貧困問題の解決に乗り出す為に政界入りしたわけだ。同氏は21日、「バチカンが私を破門しないことを期待する。自分はカトリック信者であり続けたいからだ」と述べている。パラグアイのカトリック教会司教会議はルゴ氏の立場に理解を示しているという。
ルゴ氏はサンペドロ教区司教として2004年まで従事してきたカトリック教会司教だったが、06年から政治活動に乗り出したために、聖職停止を受けた人物だ。教会法では、聖職者は世俗社会の公職(政治)に従事することが禁止されている。
ところで、ローマ・カトリック教会総本山バチカン法王庁はルゴ氏の大統領当選に対して慎重な立場を堅持している。バチカン報道官のフェデリコ・ロンバルディ神父は22日、「ルゴ氏への対応を急いで下す考えはない」と述べ、バチカンが現時点ではパラグアイ次期大統領に選出されたルゴ氏の教会破門処分を考えていないことを示唆している。
ルゴ氏はまた、解放神学の支持者として有名だ。貧者の教会といわれる南米教会では解放神学を支持する聖職者が多い。ルゴ氏は最貧困地域では「貧者の聖人」と呼ばれてきた。それだけに、バチカンとしては同氏への対応に慎重にならざるを得ない事情があるわけだ。
エリート教会の欧州教会出身のローマ法王ベネディクト16世は教理省長官時代、「解放神学の背後にはマルクス主義が潜んでいる」として、解放神学を厳しく批判してきた経緯がある。ただし、貧困に喘ぐ南米に対して、法王は具体的な解決策を提示してこなかった。同16世は昨年5月、ブラジルで開催された第5回南米・カリブ地域司教会議でも中絶問題、貧困問題、解放神学の台頭など深刻な問題を抱える南米教会指導者たちに、「キリストの福音に帰ることが唯一の道である。神を知るならば、解決は可能だ」と語っただけだ。
それに対し、ルゴ氏は聖職を放棄して貧困問題の解決に乗り出す為に政界入りしたわけだ。同氏は21日、「バチカンが私を破門しないことを期待する。自分はカトリック信者であり続けたいからだ」と述べている。パラグアイのカトリック教会司教会議はルゴ氏の立場に理解を示しているという。