全ての職業に高低や是非はないことを前提で紹介したい。ドイツのアレンスバッハ世論調査は26日、17種の職業に対する社会的評価ランクを公表したが、それによれば医者と聖職者の社会的評価が最も高かった。医者の場合、5年前の調査よりも6ポイント上昇した一方、聖職者の評価は不動だったという。
 調査結果自体はけっして珍しくない。欧州の大学では医者になりたい学生が急増し、医学部の収容能力をはるかに越える学生が殺到しているというニュースは、新学期がスタートする時期になるといつも報じられてきた。当方が住むオーストリアでもウィーン大、グラーツ大、インスブッルク大の医学部(収容総数約1500人)に約9380人の学生が今月、講義登録のために大学の窓口に殺到したばかりだ。医者は人間の生命を守る職業で重要だが、最近は経済的魅力が医者志望の大きな理由となってきた、といわれ出した。
 一方、聖職者の社会的評価が医者に次いで高いということは、世俗化が進む欧州キリスト教社会でも、教会聖職者が依然、国民の信頼を享受していることになる。キリスト教社会の伝統の深さを感じる。
 その一方、カトリック教国のポーランドでは聖職者の予備軍ともいうべき神学生の数が減少する一方、聖職者が関与した性スキャンダルが後を絶えない、という現実もある。もちろん、欧州教会だけではない。米カトリック教会では2004年、ポートランド大司教区、アリゾナ州ツーソン教区、ワシントン州スポーケン教区が次々と破産宣言を強いられた。聖職者たちが子供たちに性犯罪を犯したことが発覚し、教会側は被害者に巨額な損害賠償の支払いを強いられたからだ。米CNN放送によると、過去50年間、全米で1万件を超える性的事件が教会聖職者らによって起こされているという。にもかかわらず、聖職者に対する社会的評価は他の職業より高い。ということは、社会が聖職者に大きな期待をかけている結果ともいえる。
 ちなみに、同調査によると、社会的評価が最下位だった職種は、労組指導者、政治家、出版業者だ。