ローマ・カトリック教会総本山のバチカン法王庁所属のロジェ・エチガライ枢機卿は今月7日、モスクワでロシア正教会最高指導者アレクシー2世総主教と会談したことから、一部のメディアでは「ローマ法王ベネディクト16世とアレクシー2世の首脳会談の開催が近いのではないか」といった憶測が流れた。
しかし、実際はアレクシー2世から「カトリック教会のロシア国内の宣教活動を自粛せよ」という抗議が出ただけで、ベネディクト16世との首脳会談云々は会議の話題にもならなかったという。
バチカン放送によると、エチガライ枢機卿は「ベネディクト16世とアレクシー2世の首脳会談の早期開催を願うが、会談の日程、場所はまったく決まっていない。アレクシー2世とは対話継続で合意しただけだ」という。
アレクシー2世は過去、「バチカンは旧ソ連連邦圏内で宣教活動を拡大し、ウクライナ西部では正教徒にカトリックの洗礼を授けるなど、正教に対して差別的な行動をしている」と激しく批判している。
ローマ・カトリック教会総本山バチカン法王庁教理省は先月10日、「教会についての教義をめぐる質問への回答」と題された文書を発表し、そこで「カトリック教会が唯一、イエスの教えを継承したキリスト教会である」と宣言したばかりだ。それに対し、「教理省の文書はキリスト教会内の対話の大きな障害だ」と最も激しく批判したのがロシア正教だった。
ロシア正教会は共産党政権との癒着問題もあって、冷戦終焉直後は教会の基盤も非常に脆弱だったが、ここにきて再び力を回復してきた。同時に、自信を回復してきている。ロシア正教会は今年5月16日、在外教会との80年ぶりの和解を実現したばかりだ(在外教会は世界約40カ国、約50万人の信者がいる)。それに先立ち、アレクシー2世は4月、中国共産党政権に正教会の公認を要求するなど、外交面でも攻勢に出てきている(中国正教会は1957年、ロシア正教から独立)。
ロシアのプーチン大統領は3月、バチカンを訪問してベネディクト16世と会談し、アレクシー二世からの書簡を伝えたが、ベネディクト16世をロシアに招請はしなかった。前法王ヨハネ・パウロ二世は、ゴルバチョフ大統領やエリツィン大統領からロシア訪問の招待を受けたが、アレクシー2世の反対で訪問は実現できなかった経緯がある。プーチン大統領といえども、ロシア正教会の意向を無視してローマ法王をモスクワに招請できないのだ。
しかし、実際はアレクシー2世から「カトリック教会のロシア国内の宣教活動を自粛せよ」という抗議が出ただけで、ベネディクト16世との首脳会談云々は会議の話題にもならなかったという。
バチカン放送によると、エチガライ枢機卿は「ベネディクト16世とアレクシー2世の首脳会談の早期開催を願うが、会談の日程、場所はまったく決まっていない。アレクシー2世とは対話継続で合意しただけだ」という。
アレクシー2世は過去、「バチカンは旧ソ連連邦圏内で宣教活動を拡大し、ウクライナ西部では正教徒にカトリックの洗礼を授けるなど、正教に対して差別的な行動をしている」と激しく批判している。
ローマ・カトリック教会総本山バチカン法王庁教理省は先月10日、「教会についての教義をめぐる質問への回答」と題された文書を発表し、そこで「カトリック教会が唯一、イエスの教えを継承したキリスト教会である」と宣言したばかりだ。それに対し、「教理省の文書はキリスト教会内の対話の大きな障害だ」と最も激しく批判したのがロシア正教だった。
ロシア正教会は共産党政権との癒着問題もあって、冷戦終焉直後は教会の基盤も非常に脆弱だったが、ここにきて再び力を回復してきた。同時に、自信を回復してきている。ロシア正教会は今年5月16日、在外教会との80年ぶりの和解を実現したばかりだ(在外教会は世界約40カ国、約50万人の信者がいる)。それに先立ち、アレクシー2世は4月、中国共産党政権に正教会の公認を要求するなど、外交面でも攻勢に出てきている(中国正教会は1957年、ロシア正教から独立)。
ロシアのプーチン大統領は3月、バチカンを訪問してベネディクト16世と会談し、アレクシー二世からの書簡を伝えたが、ベネディクト16世をロシアに招請はしなかった。前法王ヨハネ・パウロ二世は、ゴルバチョフ大統領やエリツィン大統領からロシア訪問の招待を受けたが、アレクシー2世の反対で訪問は実現できなかった経緯がある。プーチン大統領といえども、ロシア正教会の意向を無視してローマ法王をモスクワに招請できないのだ。