ウィーンの国連本部で開催中の国連薬物犯罪事務所(UNODC)の麻薬委員会(CND)第50回会期の場で、駐オーストリアの金ソン北朝鮮1等書記官が3つの国際麻薬関連条約の加盟を表明した時、平壌から派遣されたリ・フンシク外務省事務局長と金トンホ部長はオーストリア外務省を訪問していた。2人に代わって加盟表明という重責を終わった金書記官はその直後、会議を後にしてガレージに向かった。
当方は金書記官の後を追いながら、「北朝鮮はどうして今回、国際条約の加盟を表明したのか。何故、もっと早く加盟しなかったのか」「ひょとしたら、6カ国協議の行方と関係があるのか」―。頭の中にあった質問を矢継ぎばやに聞いてみた。
金書記官は「わが国は3年前に国内法を整備し終えていた。しかし、国際法と比較した場合、まだ完全ではなかった。そこで国際麻薬統制委員会(INCB)のアドバイスを受けてきたのだ。われわれが感謝しなければならないとすれば、INCBの支援だ。UNODCには感謝する必要はないだろう。UNODCはわが国に技術支援を供与してくれなかったからね。UNODCの背後には米国がいる。米国はわが国が麻薬対策に乗り出すと、それを阻止してきた。同時に、わが国が国家ぐるみで麻薬密売に関与していると批判してきたのだ」と、米国を激しく批判する一方、「わが国は欧米社会のように深刻な麻薬問題には直面していないが、加盟する以上、その責任を履行する」と強調した後、「WD」の外交官プレートが付いたベンツに乗って去った。
麻薬密売の「国家ぐるみの関与」を疑われてきた北朝鮮が国際条約に加盟を表明したということは、大きな一歩だ。参考までに付け加えれば、米国と北朝鮮両国は今年1月のベルリン協議で、(米国の)「金融制裁解除」と(北朝鮮の)「麻薬関連国際条約の加盟表明」で合意していたのではないだろうか。それが事実とすれば、平壌は今回、その合意事項を忠実に履行したわけだ。
ちなみに、北朝鮮が加盟表明した日(14日)、日韓米のメディア機関は北京の国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長の訪朝直後の記者会見の報道に追われ、ウィーンのCND会期の動向をフォローせず、同会期に北朝鮮代表団が初参加したという事実を掴んでいなかった。そのため、多くのメディア機関は北朝鮮の歴史的な加盟表明の瞬間を逃したというわけだ。
なお、北朝鮮が今回加盟を表明した国際条約は、「麻薬一般に関する憲章」(1961年)、「同修正条約」(71年)、「麻薬および向精神薬の不正取引に関する国際条約」(88年)の3つだ。
当方は金書記官の後を追いながら、「北朝鮮はどうして今回、国際条約の加盟を表明したのか。何故、もっと早く加盟しなかったのか」「ひょとしたら、6カ国協議の行方と関係があるのか」―。頭の中にあった質問を矢継ぎばやに聞いてみた。
金書記官は「わが国は3年前に国内法を整備し終えていた。しかし、国際法と比較した場合、まだ完全ではなかった。そこで国際麻薬統制委員会(INCB)のアドバイスを受けてきたのだ。われわれが感謝しなければならないとすれば、INCBの支援だ。UNODCには感謝する必要はないだろう。UNODCはわが国に技術支援を供与してくれなかったからね。UNODCの背後には米国がいる。米国はわが国が麻薬対策に乗り出すと、それを阻止してきた。同時に、わが国が国家ぐるみで麻薬密売に関与していると批判してきたのだ」と、米国を激しく批判する一方、「わが国は欧米社会のように深刻な麻薬問題には直面していないが、加盟する以上、その責任を履行する」と強調した後、「WD」の外交官プレートが付いたベンツに乗って去った。
麻薬密売の「国家ぐるみの関与」を疑われてきた北朝鮮が国際条約に加盟を表明したということは、大きな一歩だ。参考までに付け加えれば、米国と北朝鮮両国は今年1月のベルリン協議で、(米国の)「金融制裁解除」と(北朝鮮の)「麻薬関連国際条約の加盟表明」で合意していたのではないだろうか。それが事実とすれば、平壌は今回、その合意事項を忠実に履行したわけだ。
ちなみに、北朝鮮が加盟表明した日(14日)、日韓米のメディア機関は北京の国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長の訪朝直後の記者会見の報道に追われ、ウィーンのCND会期の動向をフォローせず、同会期に北朝鮮代表団が初参加したという事実を掴んでいなかった。そのため、多くのメディア機関は北朝鮮の歴史的な加盟表明の瞬間を逃したというわけだ。
なお、北朝鮮が今回加盟を表明した国際条約は、「麻薬一般に関する憲章」(1961年)、「同修正条約」(71年)、「麻薬および向精神薬の不正取引に関する国際条約」(88年)の3つだ。