ローマ・カトリック教会総本山、バチカン法王庁の声を伝える「ラジオ・バチカン」は、今月21日に80歳の誕生日を迎える元独外相のハンス・ディートリヒ・ゲンシャー氏と会見し、国連改革について聞いている。
「ラジオ・バチカン」は同氏との会見内容を18日に放送予定だが、それに先駆け、その概要を紹介したい。国連改革を考えている人に啓蒙する点が多いと思うからだ。
ゲンシャー氏は「全ての国家は国連を真摯に受け止めなければならない」と述べた上で、「国連改革とは国連憲章の変更・修正の問題ではなく、精神の改革だ。大多数の人々は国連憲章の一部を変更すれば世界は改善されると信じているかもしれないが、そうではない。教会の改革と同様だ。すなわち、内的な姿勢が問題なのだ。教会という機構を改革しても、信者ひとりひとりが神の教えを守り、努力しない限り、教会の改革は実現されないのと同じだ」という。
ゲンシャー氏は、「戦争がいつ始まるかを知っているが、それでは、戦争前(独Vorkrieg)はいつ始まるのか」と問い掛けた独作家クリスタ・ヴォルフ女史の言葉を引用し、「私の答えは、戦争前はわれわれの心の中で始まる。人間の頭の中で始まるのだ。例えば、偏見だ。偏見は心と思考を毒殺する。そして、その偏見の克服はキリスト教の徳だ。われわれは自分を超克するために更に努力すべきだ。その意味で、われわれは純潔でなければならない」と述べている。
「改革」といえば、直ぐに機構改革を考えるが、ゲンシャー氏は「そうではなく、人間の精神の改革が機構改革の大前提であるべきだ」と主張しているわけだ。換言していえば、安保理改革の前に、われわれひとりひとりが純潔でなけれな、機構改革は意味がない、ということだ。ドイツの政界で最長の外相を努め、国連の実相を誰よりも熟知しているゲンシャー氏の言葉であるだけに、傾聴に値する見解だ。
いずれにしても、ゲンシャー氏が主張する「精神の改革」を実現するためには、キリスト教をはじめとした宗教の役割が重要となる。その意味で、国連の改革には、宗教指導者の関与が不可欠となる。
「ラジオ・バチカン」は同氏との会見内容を18日に放送予定だが、それに先駆け、その概要を紹介したい。国連改革を考えている人に啓蒙する点が多いと思うからだ。
ゲンシャー氏は「全ての国家は国連を真摯に受け止めなければならない」と述べた上で、「国連改革とは国連憲章の変更・修正の問題ではなく、精神の改革だ。大多数の人々は国連憲章の一部を変更すれば世界は改善されると信じているかもしれないが、そうではない。教会の改革と同様だ。すなわち、内的な姿勢が問題なのだ。教会という機構を改革しても、信者ひとりひとりが神の教えを守り、努力しない限り、教会の改革は実現されないのと同じだ」という。
ゲンシャー氏は、「戦争がいつ始まるかを知っているが、それでは、戦争前(独Vorkrieg)はいつ始まるのか」と問い掛けた独作家クリスタ・ヴォルフ女史の言葉を引用し、「私の答えは、戦争前はわれわれの心の中で始まる。人間の頭の中で始まるのだ。例えば、偏見だ。偏見は心と思考を毒殺する。そして、その偏見の克服はキリスト教の徳だ。われわれは自分を超克するために更に努力すべきだ。その意味で、われわれは純潔でなければならない」と述べている。
「改革」といえば、直ぐに機構改革を考えるが、ゲンシャー氏は「そうではなく、人間の精神の改革が機構改革の大前提であるべきだ」と主張しているわけだ。換言していえば、安保理改革の前に、われわれひとりひとりが純潔でなけれな、機構改革は意味がない、ということだ。ドイツの政界で最長の外相を努め、国連の実相を誰よりも熟知しているゲンシャー氏の言葉であるだけに、傾聴に値する見解だ。
いずれにしても、ゲンシャー氏が主張する「精神の改革」を実現するためには、キリスト教をはじめとした宗教の役割が重要となる。その意味で、国連の改革には、宗教指導者の関与が不可欠となる。