北朝鮮最高指導者の金正日労働党総書記の後継者問題を競馬レースに例えれば、長男の金正男氏(36)はレースを制して勝ち馬となるチャンスがまだあるのだろうか。正男氏が2001年5月、日本に不法入国したことが発覚して、父親正日総書記の怒りをかって以来、後継者レースで勝利のチャンスはなくなったと巷では言われ続けてきたからだ。正男氏はつい最近もマカオから北京に姿を現した時、付き人は1人もなく、単身で動いていた。これは正男氏が後継者レースから完全に離脱した証拠だ、と解釈されたばかりだ。正男氏に代わって後継者最有力と見られている正哲氏(26)が欧州に姿を現した時、多数の付き人、警備員を伴っていたのとは好対照というわけだ。
ところが、最近、欧州居住の北朝鮮消息筋が「金正男氏の後継者の目は完全には消滅していない」というではないか。その発言の背景には、他の馬、すなわち二男の正哲氏と三男の正雲氏(24)がまだ20代と非常に若く、後継者の選出には時期尚早であることから、30代半ばを迎えた正男氏にはまだ逆転できる時間がある、という読みがあるのかもしれない。
先の消息筋は「明確な点は、後継者レースは3人の息子たちの争いだ。ファミリー以外の対抗馬は今の所見当たらない。3人の中で正男氏が大きく遅れをとっているとは思えない。正男氏がある日、他の2人を押しのけて後継者に選ばれる可能性はある」と指摘し、「欧州には正男氏の資金管理を担当している人物がいる」と示唆した。すなわち、「正男氏は自由に使えるかなりの資金を欧州の銀行に預けている」というのだ。
米国の大統領選挙を見ても分かるが、選挙資金をどれだけ有しているかは当選の重要な用件だ。資金なくしては、選挙用TVスポットも広告も出せない。もちろん、北朝鮮の後継者争いは米大統領選と違うが、当選する為には資金が必要という点で大きな相違はないのではないか。正男氏が本当に巨額の資金を欧州の銀行に保管しているとすれば、後継者争いの決定的な時、その資金を投入できるわけだ。
金正日総書記の一声で後継者が選出される場合(通常)、正男氏の資金は大きな役割を果たす機会が少ない。しかし、金総書記が単独で後継者を選べない場合(「健康の悪化」や「軍部の台頭」など)、この時こそ、正男氏の海外資金が効果をもたらすのではないか。正男氏の欧州資金が武器売買からの収益金か、それとも個人資金かは大きな問題ではない。
いずれにしても、「正男氏の後継者選出のチャンスはまだある」と見ていた方が無難かもしれない。
ところが、最近、欧州居住の北朝鮮消息筋が「金正男氏の後継者の目は完全には消滅していない」というではないか。その発言の背景には、他の馬、すなわち二男の正哲氏と三男の正雲氏(24)がまだ20代と非常に若く、後継者の選出には時期尚早であることから、30代半ばを迎えた正男氏にはまだ逆転できる時間がある、という読みがあるのかもしれない。
先の消息筋は「明確な点は、後継者レースは3人の息子たちの争いだ。ファミリー以外の対抗馬は今の所見当たらない。3人の中で正男氏が大きく遅れをとっているとは思えない。正男氏がある日、他の2人を押しのけて後継者に選ばれる可能性はある」と指摘し、「欧州には正男氏の資金管理を担当している人物がいる」と示唆した。すなわち、「正男氏は自由に使えるかなりの資金を欧州の銀行に預けている」というのだ。
米国の大統領選挙を見ても分かるが、選挙資金をどれだけ有しているかは当選の重要な用件だ。資金なくしては、選挙用TVスポットも広告も出せない。もちろん、北朝鮮の後継者争いは米大統領選と違うが、当選する為には資金が必要という点で大きな相違はないのではないか。正男氏が本当に巨額の資金を欧州の銀行に保管しているとすれば、後継者争いの決定的な時、その資金を投入できるわけだ。
金正日総書記の一声で後継者が選出される場合(通常)、正男氏の資金は大きな役割を果たす機会が少ない。しかし、金総書記が単独で後継者を選べない場合(「健康の悪化」や「軍部の台頭」など)、この時こそ、正男氏の海外資金が効果をもたらすのではないか。正男氏の欧州資金が武器売買からの収益金か、それとも個人資金かは大きな問題ではない。
いずれにしても、「正男氏の後継者選出のチャンスはまだある」と見ていた方が無難かもしれない。