ウィーン発 『コンフィデンシャル』

 ウィーンに居住する筆者が国連記者室から、ウィーンの街角から、国際政治にはじまって宗教、民族、日常の出来事までを思いつくままに書き送ります。

2025年08月

「大統領、トランプ氏から電話です」

 トランプ米大統領は15日、米アラスカ州でロシアのプーチン大統領と米露首脳会談をする直前、ホワイトハウスからベラルーシのルカシェンコ大統領と電話会談したという外電を読んだ時、「なぜ、この時、ルカシェンコ大統領と会談する必要があるのか」と首を傾げたものだ。

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▲上海協力機構首脳会談(8月31日〜9月1日、天津で開催)に参加するために中国を実務訪問したルカシェンコ大統領、ベラルーシ大統領府公式サイト

 トランプ氏がソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」のプラットフォーム上で明らかにしたところによると、ルカシェンコ大統領が最近、16人の囚人を釈放したことへの感謝の意を表明するためだったという。トランプ氏は「さらに1,300人の囚人の釈放についても協議した。話し合いは非常に良好だった。将来、ルカシェンコ大統領と会談できることを楽しみにしている」と述べている。 

 一方、米国から突然電話をもらったルカシェンコ氏は戸惑っただろう。それとも、盟友プーチン氏からの要請を受け、トランプ氏が自分に電話してきたのだろうか、と憶測したかもしれない。間違いない点は、国際社会から孤立しているルカシェンコ氏にとって、世界最強国家の米国の大統領から直接電話をもらったことはサプライズだったが、孤立脱出のチャンス、イメージアップともなるから、ウエルカムだったはずだ。

 ベラルーシはルカシェンコ大統領が長期統治している独裁国家だ。プーチン氏のロシアと同じだ。ロシアのミニ独裁国家(小ロシア)ということができる。ベラルーシでは2000年8月の大統領選後、選挙不正と長期政権に抗議する大規模デモが発生。ルカシェンコ政権はデモ参加者を摘発し拘束するなど、反政権活動家への弾圧を強めてきた。指導的な反体制派活動家は隣国リトアニアやポーランドに亡命していった。米国と欧州連合(EU)は、大規模な選挙不正と民主化運動への残忍な弾圧のため、ルカシェンコ氏を国家元首として承認していない。

 ベラルーシでは、2021年以降、8人の政治犯が獄中で死亡した。約1,300人の人権活動家、野党関係者、ジャーナリスト、聖職者が刑務所に収監されている。例えば、ベラルーシ人口の10%未満を占めるカトリック教会に対し、繰り返し厳しい弾圧を行っている。2022年秋以降、ミンスクの独立広場にある主要な教会では、カトリック教徒による礼拝が禁止されている。公式の理由はセキュリティ上の欠陥という(カトリック通信=KNAのオリバー・ヒンツ記者)。

 また、ベラルーシの独裁者ルカシェンコ大統領は中東の難民(特に、イラク人、アフガニスタン人)を集め、ミンスクに送り込み、ポーランド国境経由でEU諸国に送り込もうとしている、と報じられたことがある。プーチン氏との連携で、大量の難民を欧州に送り込むことで、欧州の政治的混乱を誘発する狙いがあったといわれた。

 ちなみに、第32回東京五輪夏季大会にベラルーシから参加した陸上女子のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手がルカシェンコ政権への批判とも受け取れる言動をしたとして、ベラルーシ代表団から強制帰国を命令されたことを受け、「帰国すれば生命の危険がある」として政治亡命を決意。同選手は2021年8月、東京羽田空港からウィーン経由でポーランドに亡命する、といった事件が起きた。

 ところで、トランプ氏がルカシェンコ大統領と電話会談したというニュースが流れると、ベラルーシの海外亡命活動家たちはトランプ大統領がベラルーシの人権状況の改善を伴わずに、欧州最後の独裁者と目されるルカシェンコ大統領を正当化するのではないかと懸念し出している。

 興味深い点は、ベラルーシの国営メディアは、トランプ大統領とルカシェンコ大統領の電話会談を歓迎し、「両首脳は引き続き会談を望んでいる」と伝えていることだ。そして「ベラルーシ大統領はトランプ大統領とその家族をミンスクに招待し、この招待は受け入れられた」と報じている。ただ、トランプ氏の電話会談の直接のテーマ、囚人釈放の件についてはルカシェンコ大統領のウェブサイトでは言及すらされていない。

 ベラルーシの国民はウクライナ国民とは違い、基本的には親ロシア傾向が強い。だから、プーチン大統領はルカシェンコ大統領の独裁政権を守るためにベラルーシに軍事介入する必要は少ないだろう。第2、第3のルカシェンコは見つかるが、第2のベラルーシ国民は見つからない。(伝統的に親ロシアの)ベラルーシ国民を反ロシア側にするような冒険はできないのだ。

ウクライナ正教会と「ロシアの影響」

 オーストリアのカトリック通信(カトプレス)によると、ウクライナの宗教共同体を管轄する機関、「民族政治・良心の自由のための国家機関」は、モスクワ総主教系のウクライナ正教会(UOC)の禁止に向けて新たな措置を講じた。具体的には、UOCのキーウ大主教区は28日、モスクワ総主教区に違法に加盟している組織として正式に認定された。その理由は「UOCの長であるキーウのオヌフリイ首座主教は、ウクライナで禁止されているロシア正教会から分離したという証拠の提示を求められたが、それを拒否したため」という。

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▲ゼレンスキー大統領はロシア軍のキーウ攻撃の犠牲者に哀悼の意を表した。2025年8月29日、ウクライナ大統領府公式サイトから

 ウクライナ当局によれば、オヌフリイ首座主教が率いるキーウ大主教区は、1年前に可決された「宗教団体の活動分野における憲法秩序の保護に関する法律」に違反しているとして、同教会は国有地および市有地の賃借権を失う。教会が運営する教育機関も、建物から立ち退かされる可能性がある。そして大主教区の解散を求める法的根拠が得られたのを受け、法的手続きが開始されるが、結審まで数年かかる可能性がある。ただ、大統領府が望むならば手続きは迅速に進む可能性はあるという。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は昨年8月24日、国内のモスクワ寄りのウクライナ正教会(UOC)の禁止に関連する文書に署名した。同大統領は「これによってウクライナ正教会はモスクワへの依存から守られる。独立している国は精神的にも独立しているべきだ。キーウのメトロポリタンであるオヌフリイ首座主教が率いる教会は、ロシア正教会との関係を解消しておらず、ロシアの侵略戦争においてウクライナ内でモスクワの影響力を行使する手段となっている」と指摘している。それ先立ち、ウクライナ議会は圧倒的多数でモスクワ総主教庁と関連するUOCを禁止する法案を可決した。

 ハリコフ国立法科大学の「法の支配と宗教研究センター」所長のドミトロ・ヴォフク氏はカトリック通信に対し、当局の行動を批判し、「ウクライナ政府はUOCが『組織的に違法行為に関与していた』ことを証明できていない。にもかかわらず、UOCは『モスクワの潜在的な第五列』として活動禁止されている」と批判した。

 キーウの情報筋によると、裁判所はこれまでにUOCの聖職者31人を反逆罪、ロシアへのスパイ行為、敵対行為扇動の罪で有罪判決を下した。ゼレンスキー大統領は7月初旬、UOCのオヌフリジ首座主教のウクライナ国籍を剥奪した。剥奪の理由は、ウクライナ出身のオヌフリイ首座主教が2002年にロシア国籍を取得し、それをウクライナ当局に隠していたためだ。UOCは既に、キーウの有名なペチェールシク大修道院の一部を含むいくつかの礼拝所を接収されている。

 オヌフリイ首座主教は既に8月中旬、「当局の疑惑はUOCとは一切関係がない」と表明している。同首座主教はこれまでもロシア軍からのウクライナ防衛への支持を繰り返し表明してきた。同首座主教は2022年2月24日、ウクライナ国内の信者に向けたメッセージを発表し、ロシアのウクライナ侵攻を「悲劇」とし、「ロシア民族はもともと、キーウのドニエプル川周辺に起源を持つ同じ民族だ。われわれが互いに戦争をしていることは最大の恥」と指摘、創世記に記述されている、人類最初の殺人、兄カインによる弟アベルの殺害を引き合いに出し、両国間の戦争は「兄弟戦争(フラトリサイド)だ」と述べ、大きな反響を呼んだことがある。

 ウクライナには、モスクワ総主教の管理下にあるウクライナ正教会(UOC)と、明確に国民的なウクライナ正教会(OCU)の2つの正教会がある。ウクライナ正教会はソ連共産党政権時代からロシア正教会の管轄下にあったが、ペトロ・ポロシェンコ前大統領(在任2,014年〜19年)の強い支持もあって、2018年12月、ウクライナ正教会がロシア正教会から離脱し、独立した。その後、ウクライナ正教会と独立正教会が統合して現在の「ウクライナ正教会」(OCU)が誕生した経緯がある。

 一方、活動を禁止されたウクライナ正教会(UOC)は当時、モスクワ総主教のキリル1世を依然支持していたが、2022年5月27日、モスクワ総主教区から独立を表明した。その理由は「人を殺してはならないという教えを無視し、ウクライナ戦争を支援するモスクワ総主教のキリル1世の下にいることは出来ない」と説明している。その結果、ロシア正教会は332年間管轄してきたウクライナ正教会を完全に失い、世界の正教会での影響力は低下、モスクワ総主教にとって大きな痛手となった。

 ロシアのプーチン大統領は2022年2月24日、ウクライナ侵攻への戦争宣言の中で、「ウクライナでのロシア系正教徒への宗教迫害を終わらせ、西側の世俗的価値観から守る」と述べ、聖戦の騎士のような高揚した使命感を漂わせた。そのプーチン氏は今月15日、米アラスカでトランプ大統領と首脳会談したが、その際も「ウクライナでのロシア正教の活動を認める」ことを和平交渉の条件に挙げている。

 ちなみに、世界の正教会の大多数が戦争に反対しているなか、ロシア正教会最高指導者モスクワ総主教キリル1世はプーチン大統領のウクライナ戦争を「形而上学的な闘争」と位置づけ、ロシア側を「善」として退廃文化の欧米側を「悪」とし、「善の悪への戦い」と解説する。キリル総主教は2009年にモスクワ総主教に就任して以来、一貫してプーチン氏を支持してきた。キリル1世はウクライナとロシアが教会法に基づいて連携していると主張し、ウクライナの首都キーウは“エルサレム”だという。「ロシア正教会はそこから誕生したのだから、その歴史的、精神的繋がりを捨て去ることはできない」と主張し、ロシアの敵対者を「悪の勢力」と呼び、ロシア兵士に闘うように呼び掛けてきた。

 なお、ウクライナ当局の決定に対し、UOC側は「教会は2022年5月にモスクワ総主教庁からの独立を宣言している」として、モスクワ寄りという非難を否定。UOCのスポークスマンは「新しい法律は憲法違反であり、ウクライナが欧州連合(EU)に加盟するために遵守しなければならないいくつかの国際協定にも反している」と批判している。

 参考までに、前ローマ教皇フランシスコは2024年8月25日のアンジェラスの祈りで、ウクライナでのモスクワに関連する正教会の禁止に言及し、「祈りたいと思うすべての人を、その人が自分のものとする教会において自由に祈らせてください。お願いです、どのキリスト教会も直接的または間接的に禁止されるべきではありません」と述べている。

ガザ問題を巡り「外交官たちの蜂起」

 イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ自治区ガザの完全制覇を決め、ガザへの攻撃を始めた。一方、ガザに住む50万人以上のパレスチナ住民はイスラエル軍の攻撃から避難する一方、食料や水、医療を手に入れるために苦戦、多くのパレスチナ人が飢餓状況下に陥っている。米国を除く国連安保理理事14カ国は27日、ガザで「飢饉が発生している」と報告されたことについて、「人為的な危機だ」と懸念する声明を発表したばかりだ。イスラエル軍のガザ攻撃を批判する声が国際社会ばかりか国内からも高まってきているが、ネタニヤフ首相は目下、ガザ攻撃を再考する考えはない。

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▲マインル=ライジンガ―外相、アルプバッハ・フォールムで、2025年8月25日、オーストリア外務省公式サイトから

 そのような中、オーストリアの外交官や元外相たちがストッカー現政府宛てに公開書簡を送り、ガザ戦争に関する政府の方針を変え、イスラエルのネタニヤフ首相に政策変更を強く求めるだけではなく、イスラエルと欧州連合(EU)の連合協定の停止など制裁を支持すべきだと主張している。なお、同書簡はオーストリア代表紙「プレッセ」(8月27日付)に掲載され、大きな反響を呼んでいる。

 公開書簡では「国際社会は、ガザにおけるルールに基づく戦後秩序の崩壊をリアルタイムで目の当たりにしている。飢餓を戦争の武器として利用し、民間インフラを完全に破壊し、民間人、医療従事者、ジャーナリストを標的とした殺害を行っている。国連人権システムと国際刑事司法制度の関係者は過去2年間、中傷と脅迫を受け、公認の援助団体は信用を失墜させられた。イスラエル指導部は現在、パレスチナ住民の強制追放を公然と主張しており、これはイスラエルをパーリア国家へと変貌させるだろう」と警告を発している。

 公開書簡の署名者には、ベニータ・フェレロ=ヴァルトナー元外相、ペーター・ヤンコヴィッチ元外相、ヴォルフガング・ヴァルトナー元外相、元ボスニア国際代表のヴォルフガング・ペトリッチ氏とヴァレンティン・インツコ氏、元EU大使ハンス=ディートマール・シュヴァイスグート氏、元ワシントン大使エヴァ・ノヴォトニー氏ら26人の外交官、元外交官らが入っている。

 「オーストリアも、ガザにおける耐え難い苦しみを終わらせ、ハマスの手から残りの人質を最終的に解放するために、国際社会の圧倒的多数に加わるべき時が来た」と、現リビア大使バーバラ・グロッセ氏、ヨルダン駐在大使マリーケ・ジンブルク氏、そして外務省西バルカン担当特別代表ウルリケ・ハルトマン氏を含む外交官たちは述べている。
 
 公務員の立場で政治的発言することについて、ペトリッチ氏は「状況が極端で、国際法のあらゆるルールに違反し、文明国間で通常行われるあらゆる事柄を無視している場合、それは例外であると私は考える」と指摘、公務員も声を上げなければならないと主張している。

 26人の外交官の公開書簡に対し、ベアテ・マインル=ライジンガー現外相は28日、ガザ戦争に関するオーストリア政府のこれまでの方針を堅持すると発表した。

 同外相は7月、30カ国外相による敵対行為の即時停止を求める共同アピールに署名したが、今回の外交官たちの公開書簡に対して、「オーストリアは、イスラエルの安全保障、生存権、そして正当な自衛権に全面的にコミットしている。2023年10月7日にハマスが行った蛮行なテロ攻撃を強く非難し、全ての人質の即時解放を求める。同時に、パレスチナ民間人の苦しみは、無関心ではいられない。民間人の保護と国際法の尊重が不可欠だ」と説明している。

 なお、駐オーストリア・イスラエル大使のデイヴィッド・ロート氏は27日、公開書簡への憤りを表明している。曰く「この戦争の責任者であるテロ組織ハマスに責任を問う代わりに、この書簡はイスラエルを非難し、中東で唯一の民主主義国であり、オーストリアの緊密な同盟国であるイスラエルに対する前例のないEU制裁を支持するよう求めている」と公開書簡の署名者を批判している。

 公開書簡は最後、「オーストリアは決断を迫られている」として、「オーストリアもまた、今こそ自らの発言がどれほど真剣なものか、決断を迫られている。EU・イスラエル連合協定および資金プログラムの停止、そして貿易制限の導入は、真剣に検討されるべきである。とりわけ、人権侵害、戦争犯罪、そして人道に対する罪を犯したり支援したりする者に対する包括的な武器禁輸措置と制裁が不可欠だ。オーストリアもまた、ガザにおける耐え難い苦しみに終止符を打ち、ハマスの手から残された人質の解放を最終的に確保するために、国際社会の圧倒的多数の声に加わるべき時が来ている」と明記している。


 上記の問題について、当方の見解を少し書き足したい。まず、今回のガザ戦闘はハマスの「奇襲テロ」(2023年10月7日)が契機となって始まったことを忘れてはならないだろう。その意味で、イスラエルのハマスへの報復攻撃には正当性がある。同時に、アラブ諸国に取り囲まれたイスラエル国家の生存権を尊重すべきだ。

 問題は、ネタニヤフ首相は1200人以上のユダヤ人が虐殺され、120人以上が人質にされた「ハマスの蛮行」を絶対に許せない、という姿勢は理解できるが、報復、憎悪からは本当の解決は難しいことだ。ネタニヤフ首相は「ハマスの壊滅」を目指しているが、第2、第3のハマスがガザの廃墟から新たに生まれてくるだろう。ある時点で報復をやめ、共存の道を模索していかなければならない。さもなければ、戦いは永遠に続く。ユダヤ民族は受難の民族だが、パレスチナ人も同様だ。

モルドバの親欧州統合路線を救え

ドイツのメルツ首相、フランスのマクロン大統領、そしてポーランドのトゥスク首相の欧州3国首脳は27日、モルドバの34回目の独立記念日を祝し、欧州連合(EU )加盟を目指す同国との連帯を表明するために首都キシナウを訪問した。

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▲モルドバの欧州統合を支援する欧州3首脳、2025年8月27日、モルドバ政府公式サイトから(左から、トゥスク首相、マクロン大統領、サンドゥ大統領、メルツ首相)

 モルドバは2022年3月にEU加盟申請。同年6月に加盟候補国に認定された。2024年6月からブリュッセルとの間で加盟交渉がスタートした。

 欧州3首脳は、マイア・サンドゥ大統領らとの会談で、ウクライナと国境を接するこの小国に対し、EU加盟への道筋と、ロシアによる不安定化工作の阻止を支援することを約束した。同国では来月28日、議会選挙が実施される。親ロシア派政党は政権交代を目指している。

 メルツ首相は「EUへの扉は開かれている。私たちは、皆さんの自由と主権を守るために、皆さんと共にある」と述べる一方、「ロシアのプーチン大統領がモルドバに対してハイブリッド攻撃を行っており、同国の民主主義を弱体化させ、モルドバをロシアの影響圏に復帰させようとしている」と非難した。

 マクロン仏大統領はモルドバに対し、更なる改革を促した。「モルドバ国民は、EU加盟が自国の将来にとって歴史的な機会であり、繁栄と安全保障への機会であることをはっきりと理解しているようだ」と評価した。

 トゥスク大統領は、「モルドバのEU加盟は欧州全体の利益だ。欧州はモルドバと共により強くなるだろう」と強調した。

 ウクライナと同様、旧ソ連共和国の一員だったモルドバは地理的には北部と東部はウクライナに隣接し、南部と西部はルーマニアに位置。人口は約260万人で産業は小麦やワインなど農業が主で、「欧州最貧国」と呼ばれる。

 ところで、モルドバの東部トランスニストリア地方は親ロシア勢力が実質的支配する「沿ドニエストル共和国」が存在する。同地方はウクライナ南部のオデッサ地方と国境を接し、モルドバ全体の約12%を占める領土を有する。同地方にはモルドバ人(ルーマニア人)、ロシア系、そしてウクライナ系住民の3民族が住んでいる。なお、同地域には1200人から1500人のロシア兵士が駐在し、1万人から1万5000人のロシア系民兵が駐留。ロシア系分離主義者は「沿ドニエストル共和国」を宣言し、首都をティラスポリに設置し、独自の政治、経済体制を敷いている。

 状況はウクライナ東部に酷似していることが分かる。プーチン大統領はモルドバの少数民族ロシア系住民の権利を守るという名目でロシア軍をいつ派遣しても不思議ではない。ちなみに、プーチン大統領の次の軍事ターゲットはジョージア、バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)、そしてモルドバだと予想されている。

 同国では9月28日、議会選挙(一院制、定数101議席)が実施される。2021年の議会選挙では、サンドゥ大統領率いる親EU派の与党「行動と連帯」(PAS)が101議席中63議席を獲得したが、厳しい経済状況により与党は過半数を失う危機に瀕している。
 世論調査ではPASがリードしているが、野党で親ロシア派勢力の「共産主義者と社会主義者の議員連合」(BCS)は政権交代を目指し、ロシアから選挙支援を受け、様々な偽情報やプロパガンダを流すダーティな選挙戦を展開させている。

 なお、モルドバの中央選挙管理委員会は7月19日、親ロシアの野党連合「勝利」の選挙参加を禁止した。資金調達や支出報告に重大な法律違反があったためだ。国外に逃亡している親露オリガルヒのイラン・ショール氏がモスクワにて、政治ブロック「勝利」がモルドバ議会選挙に参加すると発表していた。

難民支援にも「善意の賞味期限」有り?

 ロシア軍がウクライナに軍事侵攻を開始して既に3年半が経過した。ロシア軍はウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク州、ルハンスク州)をほぼ占領、南部のヘルマン州、サボリーシャ州でも優利に戦争を展開している。ただ、ロシア軍だけではなく、ウクライナ軍にも戦闘疲れがみられる。同時に、ウクライナ避難民を積極的に受け入れた西側にも息切れが出てきた。

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▲ウクライナ避難民への社会保障給付の延長を拒否したナブロツキ大統領、2025年8月25日、ポーランドの日刊紙「ヴィボルチャ」ウェブサイトから

 ウクライナ戦争が勃発した直後、多くのウクライナの女性や子供たちが隣国のポーランドに避難した。ロシアに対して歴史的に警戒心が強いポーランド人は隣国から避難してきたウクライナ人が国境の駅に到着すると、食料や住居を提供するなど、ウクライナ避難民を温かく歓迎した。

 そのポーランドでナブロツキ新大統領は25日、ウクライナ難民への社会保障給付の延長に拒否権を発動した。「就職していないウクライナ人には無償で医療を受けさせるべきではない」と説明、ウクライナ難民への社会保障給付金の支給を就労状況に依存させる考えを明らかにした。

 同国では、保護ステータスを持つウクライナ国民は、子ども1人につき月額180ユーロ相当の児童手当を受け取る。2人目以降の子どもには、最初の2年間、月額117ユーロの育児手当が支給される。難民はまた、教育制度と医療サービスを無料で利用することができ、ポーランドの家族と同等の権利を有する。ポーランドの難民の就労率は65%で、保護ステータスを持つウクライナ国民の合計約98万9000人がポーランドに居住している。その大部分が女性と子供たちだ。トゥスク首相率いる中道左派連合の投票により可決されたこの法案は、難民が2026年3月までこれらの社会保障給付を受け続けることを規定していた。

 このニュースを聞いた時、「クリスマス・キャロル」の作者、英国作家チャールズ・ディケンズ(1812〜70年)とデンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805〜75年)の交流を思い出した。両作家は親交があった。アンデルセンは1857年、ディケンズ宅を訪問し、そこに宿泊した。ディケンズと家族は数日か1週間ぐらいの滞在と考えていたが、ディケンズ家の歓迎もあり、ロンドンが気に入ったアンデルセンは滞在し続けた。親切なディケンズの家族だったが、「デンマークの客はいつ出ていくだろうか」という当惑の声が飛び出してきた。ホストの家族の事情など知らないアンデルセンはその後も長期、ディケンズ宅に滞在した、というエピソードだ。

 ポーランドをディケンズの家族、アンデルセンをウクライナ難民とみると、最初は善意から歓迎した事項も時間の経過と共に、その善意が重荷になってくる。それは珍しいことではなく、多くの人が程度の差こそあれ人生で何度かは経験することだろう。これは国にも当てはまる。

 ポーランドではロシア軍の侵略を受けるウクライナを支援することで与野党の間には大きな相違はなかった。ただ、ロシアがウクライナ産穀物の黒海経由での輸出にストップをかけて以来、安価な  ウクライナ産穀物がポーランド市場に流れ、ポーランドの農民たちがウクライナ産穀物の流入に反対したため、政府はウクライナ産穀物の取引禁止策を取らざるを得なくなり、、ポーランドとウクライナ間で一時期不協和音が流れたことがあった。

 ところで、ポーランドで6月1日、大統領選挙の決選投票が実施され、愛国主義的右派の野党「法と正義」(PiS)の候補者カロル・ナブロツキ氏が親欧州派の与党リベラル派「市民プラットフォーム」(PO)が支持するラファウ・チャスコフスキ氏を破り、当選した。ナブロツキ氏が当選したことで、大統領府をPiS、政府が与党POが主導するというねじれ関係が今日まで継続されている。ナブロツキ氏は選挙戦中でも`ポーランド・ファースト`を掲げ、ウクライナ支援の見直しを主張してきた。

 ウクライナへの支援は単なる善意ではなく、欧州全土の安全保障を守るか否かの問題だ。それにしても、戦争が長期化し、その停戦の見通しが立たない現状では、避難民を収容するという善意の政策もその時々の政治、経済事情に影響される。ちなみに、ナブロツキ大統領の拒否権をひっくり返すには、議会の3分の2の支持が必要だが、トゥスク現政権はそれを有していない。

 なお、2015年夏、中東・北アフリカから多くの難民が欧州に殺到、ドイツには100万人の難民が殺到した。当時のメルケル首相は人道的視点から難民のウエルカム政策を実施し、難民を受け入れていった。あれから10年が経過したが、政治家や国民の間には難民ウエルカムの痕跡はもはや見られない。同時に、ポーランドと同様、シリア難民やウクライナ避難民への支援カットが囁かれている。欧州各地で‘自国ファースト‘を主張する政治勢力が台頭するなど、難民、避難民に注がれてきた「善意」は次第に限界を迎えている。

ゼレンスキー氏の独立記念日の演説

 ロシア軍がウクライナに侵攻して3年半が経過した。トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領間で米露首脳会談が開催され、ウクライナの安全の保証問題や包括的和平条約の締結などが話され、「一定の進歩」はあったが、ロシア軍のウクライナ攻撃は依然継続されている。そのような中、ウクライナは24日、旧ソ連から独立して第34回目の記念日を迎えた。以下は、ウクライナのゼレンスキー大統領のウクライナ独立記念日での演説の全文だ(ウクライナ語からの英語訳をAIで日本語訳した)。少し遅れたが、ウクライナが現在置かれてる状況が理解できると思い、全文を掲載する。

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親愛なるウクライナ国民の皆様!

今日はウクライナの独立記念日です。

 私は今、キーフの中心、独立広場にいます。独立の真の意味、それが私たちにとってなぜそれほど重要なのか、そしてマイダン広場が単なる国の中央広場以上の存在である理由を、最も深く感じることができるのはここです。なぜなら、ここは独立の象徴であり、その守護者だからです。ここは常に歴史が作られる場所であり、独立が脅かされる時に、国民のエネルギーと力が生まれる場所です。

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▲独立記念日の演説をするゼレンスキー大統領,2025年8月24日、ウクライナ大統領府公式サイトから

 そして今、本格的な独立戦争が続く中、ここマイダン広場には、力強いシンボルが数多く存在します。私たちがどのように戦い、何のために戦い、そしてこの戦争をどのように克服するかを象徴するシンボルです。

 これらのシンボルは、この独立記念碑の中に、私たちの周りにあります。内部は鉄筋コンクリートの骨組みで、文字通りハリケーンにも耐えることができます。ロシアが私たちの土地にもたらした大災害を、私たちのウクライナが持ちこたえたように。ここ、「ゼロキロメートル」。ここが出発点であり、ウクライナの都市までの距離が刻まれています。私たちのドネツク、私たちのルハンシク、私たちのクリミアまで。そして今日、これらの標識は全く異なる意味を持っています。もはや単なるキロメートル数ではありません。すべてがウクライナであることを私たちに思い出させてくれます。そして、私たちの国民はそこに存在し、私たちの間のどんな距離も、どんな一時的な占領も、それを変えることはできません。そしていつの日か、ウクライナ人の間のこの距離は消え、私たちは再び一つの家族、一つの国として一つになるでしょう。それは時間の問題です。そしてウクライナは、国土全体に平和をもたらすことができると信じています。ウクライナにはそれができるのです。

 なぜなら、ウクライナには個性があるからです。揺るぎない忍耐力、決して目をそらさない視線、そして炎と歳月に焼かれながらも力強い手。盾を握り、彼らのものを守る手。彼らの土地、彼らの文化、そしてキーフの建国の父たちの遺産が証明する千年の歴史。そして私たちは、英雄たちが命を捧げた未来を守る。

 これらは、私たちが決して忘れることも、裏切ることもない名前です。私たちの独立を守った名前です。そして、ここマイダンで、ウクライナ人はしばしば盾の上で英雄たちに別れを告げます。そして、このような別れを経験したすべての人、そしてこの戦争で誰かを失ったすべての人は、ロシアとの個人的な決別を永遠に背負い、英雄たちを決して忘れないと誓っています。

 その誓いを体現するのが、この国民の記憶の場です。それは力強い場です。なぜなら、小さな旗一つ一つに、誰かの素晴らしい物語、行動、そして選択が宿っているからです。ウクライナのために、未来のために、特に平和の自由と自由の平和のためにという選択です。これは、コサックのママイのイメージを通して私たちの文化に反映された哲学です。彼は自由を勝ち取り、武器を脇に置き、コブザを手に取り、万が一に備えてサーベルを手元に置きながら、平和な市民生活に戻ることができました。これこそが、私たち皆が切望していることです。そして、私たちは知っています。誰もそれを簡単に私たちに与えてくれるわけではありません。勝つことしかできない。

 まさにこれこそが、この戦争、独立のための戦争の1278日間、私たちが続けてきたことです。この日々ごとに、私は皆さんに感謝したいと思います。ウクライナの戦士、ウクライナの義勇兵、医師、救助隊員、教師、若者、両親、すべてのウクライナ人に。皆さんに感謝します。私たちがこれまでに耐えてきたことに対して。そして、私たちが共に築き上げているウクライナに対して。ウクライナがすでにこうなったことに対して。2月24日に成人したウクライナ。自らの運命を自らの手で切り開き、武装したウクライナ。ためらう暇もなく、恐れる権利もありませんでした。そして、世界第2位の軍隊を真にくい止めたのです。私たちはこれからもこのことを言い続けます。なぜなら、これがロシア軍無敵の神話を打ち砕くからです。

 私たちはそれを証明してきました。そして今日も証明し続けています。一人ひとりがそれぞれの場所で。一人ひとりが自らの内に独立を抱き、仕事、行動、そして功績を通して、ウクライナ人としての権利を守っています。今日、独立は戦場で築かれています。独立は毎夜空を守り、病院で命を救い、火を消し、教えています。独立は眠らず、防衛企業で昼夜を問わず働いています。なぜなら、私たちの戦士が必要なものすべてを持ち、独立が自らを守るために必要なすべてを持つことが、非常に重要だからです。独立はハンドルを握り、困っている人々のもとへ向かいます。独立はリングの上で、世界の舞台で、ウクライナ人が活躍する舞台で戦います。ウクライナ人が書いた本や詩の言葉の中にあります。

 敵から毎日こう言われます。「そんな国家は存在しない。そんな国民は存在しない。」そして、私たちは毎日、その逆を証明しています。私たちはウクライナ人が存在することを証明します。そして、ウクライナ人はこの地、この広場に留まります。100年後、未来の世代がそこに立つことになるでしょう。そして100年後、彼らはここでウクライナの独立記念日を祝うでしょう。

 そうなるでしょう。なぜなら、今のウクライナは以前とは違うからです。ウクライナはより強く、自尊心を持っています。そしてウクライナは善意のしるしを待つのではなく、私たちに必要なことを自ら実現する意志を持っています。ロシアがスムイ地方を占領しようとすれば、クルスク地方に軍隊が派遣されます。敵が私たちのエネルギーインフラを攻撃し、光も暖房も奪おうとすれば、彼らの石油精製所は燃え上がります。そして、誰もそのような攻撃を禁じることはできません。なぜなら、攻撃するのは正義そのものだからです。ロシアが毎日私たちを攻撃し、平和な都市、病院、学校を攻撃し、市民や子供たちを殺しているとき、ロシアは「蜘蛛の巣」のような報復を受けます。そして、正義はこうやって攻撃するのです。ウクライナは、平和を求める声が無視されたとき、こうやって攻撃するのです。私たちは何度停戦を提案したでしょうか?「静寂を求め、平和を求める」と何度言ったでしょうか?しかし、尊厳のある、すべてを包み込む平和こそが、私たちが全世界の力に頼る理由なのです。

 これが今日のウクライナです。そして、このようなウクライナは、歴史上、ロシアが「妥協」と呼ぶような屈辱を二度と味わわされることはないでしょう。私たちに必要なのは公正な平和です。私たちの未来は私たち自身によってのみ決定されます。そして、世界はそれを知っています。そして、世界はそれを尊重しています。ウクライナを尊重し、ウクライナを対等に扱っています。

 ウクライナは、実に一日で世界の指導者たちを結集させ、団結させることができる。米国、そして世界全体がドローンの共同生産を望んでいるウクライナ。欧州と米国の結束を回復し、今やこの同盟の基盤となっているウクライナ。自らの立場を堅持し、自衛できるウクライナ。だからこそ、ウクライナの声は聞かれ、考慮され、耳を傾けられる。ウクライナは交渉のテーブルに着く。「ドアの外で待っていろ」とは言われない。「決定権はあなた方にある」と言われる。

 まさにこのようなウクライナを代表して、私は一週間前に米国を訪問する機会を得た。今日、米国と欧州は一致している。ウクライナはまだ完全に勝利したわけではないが、決して敗北することはない。ウクライナは独立を確保した。ウクライナは犠牲者ではなく、闘う者だ。ウクライナは懇願するのではなく、提供する。同盟とパートナーシップ。欧州最強の軍隊。高度な防衛技術。レジリエンス(回復力)における経験。私たちは「EUが必要だ」と言う。そして、それは必要だ。しかし、EUは私たちを必要としています。そして誰もがそれを認めています。そして、ウクライナは貧しい親戚ではなく、強力な同盟国として見られています

 これこそがまさに有志連合の目的であり、ワシントンの目的でもあります。そして、持続可能で、信頼でき、永続的な平和の確保です。ウクライナは安全保障の保証を得ることで、これを実現するでしょう。その保証は非常に強固なものとなり、ウクライナを攻撃するなどという考えは誰にも浮かばなくなります。

 これは単なる私たちの目標ではありません。まさに私たちが望み、子や孫たちに遺産として受け継がなければならないものです。強いウクライナ、平等なウクライナ、ヨーロッパのウクライナ、独立したウクライナ。

 歴史の閉ざされた悪循環がついに断ち切られるために。どの世代も独立を守るための何かを失い、新しい世代が新たな局面を迎え、再び武器を手に取らざるを得なくなり、再び自衛し、自由を取り戻さなければならないという悪循環です。私たちは、この重荷を子孫に引き継いではなりません。私たちは、安全と平和の中で暮らせるほど強く力強いウクライナを築き上げています。そうすることで、ここ、この広場、私たちの独立広場、私たちの旗の下、私たちの土地で、私たちの子供たち、孫たちが独立記念日を祝うことができるのです。平和の中で、穏やかに。未来への信頼とともに。敬意をもって。そして、この独立戦争でウクライナを守ったすべての人々への感謝とともに。耐え抜き、勝利を収めた人々への感謝とともに。このような目標のために生きる価値はあります。そして、これこそが私たちの信念です。

 偉大な国の偉大な国民の皆様、幸せな祝日をお過ごしください!独立記念日おめでとうございます!ウクライナに栄光あれ!

独哲学者ニーチェの没後125年

 2025年8月25日は、「神は死んだ」、「超人」などの言葉で良く知られているドイツ哲学者フリードリヒ・ニーチェ(1844〜1900年)の没後125年目に当たる。ニーチェといえば、厭世家で反キリスト教的人生観の思想家といったイメージが付きまとう。同時に、「20世紀はニヒリズムが到来する」と予言した哲学者だ。

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▲「ニヒリズムの到来」を予言したニーチェ、ウィキぺディアから

 ローマ・カトリック教会の元教皇べネディクト16世は「若者たちの間にニヒリズムが広がっている。神やキリストが関与しない世界は空虚と暗黒で満ちている。残念ながら、現代の若者たちはこの‘死に到る病‘に侵されてきた」と述べている。ニヒリズム(独語 Nihilismus)は「虚無主義」と日本語で訳される。既成の価値観を信頼できず、全てのことに価値を見出せなく、理想も人生の目的もない世界だ。

 ところで、ニヒリズムの到来を予言したニーチェについて、ドイツのジャーナリスト、パウラ・コナースマン氏は25日、ドイツのカトリック通信で、ニーチェ没後125年目を契機にニーチェの哲学の今日的意義について記事を掲載している。同氏は「ニーチェといえば、陰険で、皮肉屋で、厭世家というイメージがあるが、こうした描写は、ニーチェの真価を測るものではない。ニーチェは近代における意味の喪失を分析し、その苦悩は、より大きな責任感を喚起し続けている。だから、ニーチェ哲学は現在、人間自身が新しい価値観を創造して進化する「力への意思」を説く『生の哲学』と呼ばれている」と説明する。

 ニーチェは1844年、現在の独ザクセン=アンハルト州レッケンに生まれ、プロテスタント牧師であった父の早すぎる死後、敬虔な母親のもとで育った。「若い頃、彼はルートヴィヒ・フォイエルバッハの著書『キリスト教の本質』を読み、その中に書かれているキリスト教に対する根本的な批判の影響を受けている。ニーチェは当初プロテスタント神学を学んでいたが、すぐに中退し、古典文献学に専念した。彼は非常に優秀であったため、博士号を取得せずにバーゼル大学教授職に就いたが、35歳で病気のためこの職を辞した。1889年、精神を病んだ彼は、当時「精神病院」と呼ばれていた施設に収容された。その後、母親、そして後に妹に世話された」(コナースマン氏)。

 ちなみに、欧州ではニヒリズムと共に、不可知論が拡大している。独ローマ・カトリック教会司教会議議長のロベルト・ツォリチィ大司教は2010年1月31日、「欧州社会では実用的な不可知論(Agnosticism)と宗教への無関心が次第に広がってきた」と警告を発し、「十字架は学校や公共場所から追放され、人間は一個の細胞とみなされ、金銭的な評価で価値が決定されている」と批判した。不可知論とは、神の存在、霊界、死後の世界など形而上学的な問題について、人間は認識不可能である、という神学的、哲学的立場だ。神の存在を否定しないが、肯定もしない。ニーチェがいう“受動的ニヒリズム”の世界とどこか似ている。

 また、フランスの政治学者オリビエ・ロイ氏(Olivier Roy)は著書「ジハードとその死」の中で、「イスラム教のテロは若いニヒリストの運動であり、宗教的要因はあくまでも偶然に過ぎない」と主張し、「イスラム教過激テロの背後には、聖典コーランの過激な解釈の影響があると受け取られてきたが、イスラム教の過激な解釈は付け足しに過ぎない。問題はテロリストがニヒリストであり、ノー未来派の世代に属する若者たちだからだ」と強調している。

 ウイーン大学の哲学部に入学すると、教授は「ニーチェは『神は死んだ』といったが、死んだのは神ではなく、ニーチェだった」と冗談をいって、学生たちを笑わせる。ところで、ニーチェは「神は死んだ」といったが、その前に「我々が神を殺した」と述べていたことを忘れがちだ。

 「神は死んだ」ということは、神はその前には生きていたことを意味する。神は社会生活では共通の価値観、世界観だった。だから、その神が死ねば、当然、価値観、人生の意味を失う。価値観の最高の保証人である神を失った結果、人間は価値や意味のない世界に放り出されるわけだ。

 「神は死んだ」と叫んだニーチェは近代社会から価値、意味を奪ったが、そこで留まっていない。新たな価値観を見出すべき「超人」の道を模索しだす。これはニーチェの「超人思想」と呼ばれる。

 ニーチェの「超人」(Ubermensch)とは、既存の価値観や規範に囚われず、自らの力で新たな価値を創造し、常に自己を超克し続ける人間のことだ。安楽や平穏ではなく、自己の成長と創造を追求する強い意志を持つ存在という。

 ニーチェ没後125年が経過するが、ニヒリズムに陥っている現代人にとって、その超克の道を先駆けて模索した実存主義者ニーチェは非常に今日的な哲学者だ。

朝鮮半島に‘ミニ・ロシア‘が出現する日

 北朝鮮の金正恩総書記は2024年6月、ロシアのプーチン大統領と会談し、安全保障・防衛分野などを網羅した「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結する一方、約12000人の兵士をロシア軍支援のためウクライナに派遣するなど、露朝両国は軍事同盟の関係を深めている。この動向は単に朝鮮半島だけではなく、日本の安全問題にも直結する深刻な問題を提示している。北に先端兵器で重武装した‘ミニ・ロシア‘が出現する日が近いことを意味するのだ。

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▲新型対空ミサイルの発射,2025年8月23日、KCNAから

 ロシアと北朝鮮の軍事協定後、北朝鮮の軍事力は著しく強化されてきた。北朝鮮側がプーチン大統領の要請を受けて弾薬や大砲などの武器供給のほか、兵士も派遣しているとすれば、北側はロシアから何らかの代価を得ていると考えて当然だろう。具体的には、ロシアから核関連、軍事衛星、原子力潜水艦関連の技術支援を得ているはずだ。

 ドイツ民間ニュース専門局NTVによると、ウクライナでの戦闘で使われている北朝鮮製ミサイルが突然、より正確に命中するようになったという。北朝鮮の部隊がウクライナに派遣された当初、西側軍事専門家は北製ミサイルの性能の悪さを嘲笑していたが、今年に入ってミサイルの命中度が劇的に向上したという。

 西側軍事専門家は「北側のミサイル専門家がロシア軍からフィールドバックを受けていることは間違いないだろう。北製ミサイルにロシア製の優れたナビゲーション システムまたは改良されたステアリング機構が装備された可能性が考えられる。また、ロシアが制御システム用の改良されたコンポーネントを北側に提供したこともあり得る」と分析している。

 北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は24日、2種類の新型対空ミサイルの性能を確認するための試射が23日に行われ、金正恩総書記が視察したと伝えた。無人攻撃機などの目標を撃破する能力が確認されたとしている。

 KCNAは新型対空ミサイルの詳細や発射場所については言及していない。ミサイルの「運用と対応モード」は「独自の特殊技術に基づく」、「今回の発射は、2種類のミサイルの技術的特性が様々な空中目標の破壊に非常に適していることを実証した」とだけ報じている。KCNAが公開した写真には、対空ミサイルが空に打ち上げられる様子が写っている。「金委員長は、次期党大会までに国防部門が達成しなければならない重要な課題について語った」という。

 北朝鮮はロシアを通じて弾道ミサイルや対空ミサイルの性能を急速に向上させていることが伺えるわけだ。それだけではない。ワシントンに拠点を置く戦略国際問題研究所(CSIS)は20日、中国国境から約27キロ離れた場所に「未申告」のシンプンドンミサイル基地があると報告した。この基地には、核兵器搭載可能な大陸間弾道ミサイル6発と発射台が設置されている可能性がある。CSISは、これらの兵器は「東アジアおよび米国本土に対する潜在的な核の脅威をもたらす」と付け加えている。

 また、ウィ―ンに本部を置く国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は3月3日の定例理事会の冒頭演説の中で、北朝鮮の核関連施設の近況について報告している。曰く「寧辺(ヨンビョン)の5MW(e)原子炉が約60日間の停止期間を経て、2024年10月中旬に運転を再開したことを確認した。この停止期間は、原子炉の燃料交換を行い、第7次運転サイクルを開始するためと考えられる。また、放射化学研究所に蒸気を供給する施設の稼働を含め、新たな再処理キャンペーンの準備を示す強い兆候が観察された」という。

 IAEAの情報によると、「北朝鮮は2025年1月下旬、金正恩総書記が核物質生産基地および核兵器研究所を視察する写真を公開している。写真に写る遠心分離機のカスケードや施設の構造は、遠心分離濃縮施設の配置や寧辺のウラン濃縮工場の構造と一致する。北朝鮮が2024年9月に未申告のカンソン(江先)施設の濃縮施設の写真を公開したことに続くものだ。江先と寧辺における未申告の濃縮施設の存在は、金総書記が兵器級核物質の生産計画を超過達成するよう指示したことを裏付けている。江先および寧辺のウラン濃縮工場が稼働を継続している兆候があり、また寧辺の軽水炉(LWR)も運転を続けている兆候がある。LWRの隣接地では、支援インフラの追加が確認された」という。

 朝鮮人民軍の軍事能力の向上を受け、金正恩総書記は自信を深めているはずだ。ロシアとウクライナ間の戦争が長期化し、北朝鮮の兵士が実戦を体験する機会を得ることから、兵士たちの戦闘力も強化される。すなわち、ウクライナ戦争の「前」と「後」では、北朝鮮の軍事能力は急速にアップしていると受け取って間違いないだろう。

 独裁者・金正恩総書記が自国の誇る軍事力を実戦の場で試したいという誘惑に駆り立てられるとしても不思議ではない。朝鮮半島の軍事情勢は韓国、日本を含むアジア全域にとって非常に危険な水域に入ってきている。

ウクライナの露パイプライン攻撃の波紋

 ロシア軍の激しい攻撃を受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は「戦争は防御だけでは勝利しない。攻撃すべきだ」と、戦略の変更を強調した。その直後、ウクライナ軍の無人機がロシアのドルジバ・パイプラインを攻撃し、ハンガリーとスロバキアへの原油輸送が停止に追い込まれたことが明らかになった。

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▲ハンガリーのオルバン首相、キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会見(2024年7月2日、ウクライナ大統領府公式サイトから)

 ロシアとハンガリー両国の友情を意味するドルジバ・パイプラインはベラルーシとウクライナを経由してハンガリーとスロバキアに石油を輸送している。そのパイプラインが破壊されたわけだ。

 ハンガリー側の激怒は想像できる。オルバン首相はゼレンスキー大統領に抗議の書簡を送るのではなく、日頃から交流のあるトランプ米大統領に書簡を送り、「ウクライナはアラスカで行われたトランプ大統領とプーチン大統領の歴史的な会談の直前にロシアのドルジバ・パイプラインへのドローン攻撃を行った。ハンガリーはウクライナに電力と石油で支援しているのに、その見返りに我々に供給するパイプラインを爆撃したのだ。非常に非友好的な行為だ」と説明。その書簡を読んだトランプ氏は「私も非常に憤慨している。ヴィクトル(オルバン首相)、あなたの言いたいことは良くわかる。あなたは私の良き友人だ」と答えている。トランプ氏の返信内容は、オルバン首相率いる与党フィデス党の党オンラインで公開された。

 ハンガリーは他の欧州連合(EU)加盟国とは異なり、2022年2月のロシア軍のウクライナへの大規模攻撃以降もロシアとの緊密な政治的・経済的関係を維持してきた。そしてロシアのエネルギーに依存してきた。要するに、ハンガリーは安価のロシア産ガスの輸入を維持するうえで、ロシアを敵にすることはできない。ハンガリーは2022年4月7日、首都ブダペスト南方にあるパクシュ(Paks)原発への核燃料をロシアから空輸している。同原発はハンガリーの国内電力の半分を供給する。ハンガリーは石油、天然ガスばかりか、原発とその核燃料もロシアに依存しているのだ。

 その一方、ハンガリー・ファーストを掲げるオルバン首相はウクライナ避難民の救助など人道的な支援は行うが、それ以外のEUのウクライナへの軍事支援、武器供給を拒否し、EUの対ロシア制裁を拒んできた。同首相は、「EUの対ロシア制裁はロシアよりEU加盟国の国民経済を一層損なうだけだ」と繰り返し主張してきた。

 オルバン首相は2023年9月25日、ブタペストの国会演説でロシアと戦争中のウクライナを酷評し、「キーウ政府はウクライナ最西端ザカルパッチャ州に住むハンガリー系少数民族約15万人の母国語の権利を制限している。その権利が回復されるまで、わが国はウクライナを国際政治の舞台では支援しない」と述べたことがある。ハンガリーとウクライナ両国関係はロシア軍のウクライナ侵攻以来、険悪化してきている。

 だから、ハンガリーの首都ブタペストがロシアとウクライナ両国首脳会談の開催地に急浮上した時、ゼレンスキー大統領は「ハンガリーはロシア寄りだ」として、ブタペスト開催にいち早く反対を表明している。

 一方、トランプ氏はウクライナによるロシア領への攻撃に理解を示してきた。自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」で「侵略国を攻撃せずに戦争に勝つことは、不可能ではないにしても非常に難しい」と投稿している。それが、オルバン首相から書簡を受け取ると、パイプラインを攻撃したウクライナ軍を逆に批判している、といった感じだ。

 トランプ氏の朝礼暮改な姿勢を批判する気はないが、同大統領のウクライナ政策には一貫性が欠如している。トランプ氏はオルバン首相やロシアのプーチン氏との人間関係を重視するあまり、米国としての政策がコロコロと変わるのだ。ウクライナ政府内でもアラスカの米ロ首脳会談後、「一定の進展」を歓迎する一方、「トランプ米政権を余り信頼することは危険だ」という声が聞こえる。

 米アラスカ州で15日開催されたトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の米露首脳会談後、欧米メディアの関心はウクライナのゼレンスキー大統領とプーチン氏の首脳会談の行方と、包括的和平条約後のウクライナの「安全の保証」問題に移ってきた。ただ、ここにきてトランプ氏の期待に反してロシア側が余り乗り気を見せなくなったのだ。プーチン氏がゼレンスキー大統領との首脳会談に消極的なだけではなく、ウクライナの「安全の保証」問題でも、ロシアのラブロフ外相が「ロシアの関与なしにウクライナの安全保障について合意することを拒否する」と釘を刺す、といった具合だ。

 トランプ米大統領は22日、ホワイトハウスで記者団に対し、ウクライナでの和平合意の実現見通しについて、「2週間以内に見極めた上で重要な決断を下す」と述べた。トランプ氏はプーチン氏に対してこれまでの融和的な姿勢から、対ロ制裁の強化など、強硬姿勢に転換させる意向を示唆したものと受け取られている。

トランプ氏は「天国」に行けるか?

 バチカンのシステイ―ナ礼拝堂には有名なミケランジェロの巨大なフレスコ画「最後の審判」が正面の壁を埋め尽くしているが、バチカン美術館の工房の新館長、パオロ・ヴィオリーニ氏がバチカンニュースに対して、「来年初めから修復作業を開始する」と語った。同氏によると、フレスコ画の修復作業は1月に開始され、来年のイースター(復活祭)までに完成する予定という。その間もシスティーナ礼拝堂は一般公開されるが、12人の修復師が、来館者から見えない足場の裏で必要な作業を行うという。バチカンニュースが今月16日報じた。

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▲ミケランジェロの傑作「最後の審判」、バチカンニュース、2025年8月16日から

「最後の審判」は1990年代に蒸留水と炭酸アンモニウムを用いて丁寧に洗浄された。この洗浄によって元の色がよみがえり、それまでの落ち着いた色調が鮮やかな色彩に取って代わられたことで、大きな反響と議論を巻き起こした。
 ヴィオリーニ氏は、美術館への来館者の殺到が500年の歴史を持つフレスコ画にダメージを与えているため、修復が必要だったと説明した。そのため、年間のメンテナンスだけでは不十分となったというわけだ。

 ちなみに、ミケランジェロは、1536年から1541年にかけて、ファルネーゼ家の教皇パウルス3世の依頼で「最後の審判」を描いた。『最後の審判』には400名以上の人物が描かれている。 中央には再臨したイエス・キリストが死者に裁きを下しており、左側には天国へと昇天していく人々が、右側には地獄へと堕ちていく人々が描写されている。

 ところで、時事通信に興味深い記事が報じられていた。
「『週7000人の殺りくを止め、できれば天国に行きたい』。ロシアとウクライナの仲介に取り組むトランプ米大統領が19日、FOXテレビのインタビューでそう語る場面があった。『現状では難しそうだ。私は(天国行きの)最下層にいるらしい』と自虐的に冗談を飛ばした。今年79歳を迎えたトランプ氏。昨年7月の暗殺未遂事件後、『神の祝福により命が救われた』と語ったことはあるが、信仰や死後の概念について話すのは珍しい」

 この記事を読んで、「ああ、トランプ氏も天国に行きたいのだな」と共感を覚えた。プロテスタント派福音教会信者のトランプ氏が熱心な信仰者か否かは不明だが、選挙戦中もその後も「神」という言葉が飛び出す回数は通常の米大統領よりも多い。自身の名前を入れた「聖書」を出版販売するなど、天国へ行くための準備には怠りがないようだ。

 敬虔なキリスト者は「最後の審判」で合格して、天国に行くことを願う。ひょっとしたら、米大統領というこの世では最高の立場にいるトランプ氏も、死後の「最後の審判」がやはり気になりだしたのかもしれない。

 興味深い点は、トランプ氏は多くの善行(この場合、紛争問題の解決)を重ねれば、天国に行けると確信していることだ。ある意味で、信仰者の発想というより、ビジネスマン的な発想だ。これだけしたのだから、これだけはもらえる、といった計算が働いている。親鸞の『歎異抄』には「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」という有名な言葉があるが、トランプ氏が親鸞のこの言葉を聞いたら、どのように反応するだろうか。天国行きの善行を止めるだろうか。

 キリスト教では「天国」は神の国だ。そこでは悲しみも苦しみも涙も死もなく、神との完全な交わりが永遠に続く、愛に満ちた場所だ。キリスト教を信じていない人も誰でも死んだ後、行きたい場所だ。仏教では極楽浄土だ。ただし、仏教の場合、輪廻転生を超越してからでなくては極楽浄土には入れないから、ハードルは少し複雑だ。

 話をトランプ氏の「天国行き」に戻す。トランプ氏が天国に行きたいことは理解できたが、天国行きのチケットを誰から手に入れるのか。ウクライナのゼレンスキー大統領を説得し、ロシアのプーチン大統領が和平条約を調印すれば、ノーベル平和賞はかなり近づくが、同時に天国行きはそれで決定かというと、そうとは言えない。「天国行き」は「ノーベル平和賞」よりハードルが高いというより、全く異なった基準が適応されるからだ。トランプ氏の得意のディ―ルも通用しない。

 ちなみに、ミケランジェロは、「最後の審判」の中で、再臨するキリストの隣に描かれた聖ペテロには、フレスコ画の依頼主、聖パウルス3世の顔立ちを描いている。トランプ氏は聖パウルス3世(在位1534〜49年)の代わりに、再臨のイエスの隣にいる自分を夢見ているのかもしれない。そういえば、トランプ氏は5月初め、AI(人工知能)の助けを受けて、自身がローマ教皇に扮した画像を投稿し、多くのキリスト者から「冒涜だ」と批判されたばかりだ。
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