ローマ・カトリック教会の総本山、バチカン法王庁を舞台とした映画、「バチカン・テープ」(The Vatican Tapes)は30日、映画館で上映が始まった。ストーリーは悪魔に憑依された若い女性を救うために1人の神父と2人のエクソシストが悪魔祓いに乗り出すというものだ。

▲映画「バチカン・テープ」のカバー
当方は予告編を観たが、「バチカン・テープ」はホラー・サスペンス映画だ。監督は「アドレナリン」や「ゴーストライダー2」のマーク・ネヴェルダイン(Mark Neveldine)氏。悪魔に憑かれた女性役にはオリビア・ダドリー(Olivia Taylor-Dudley)が演じている。上演時間は91分間だ。
バチカン内の古文書保管所で秘密のテープが発見されたことからストーリーが始まる。そのテープには、悪魔に憑依された女性から悪魔を払うために苦闘する神父と2人のエクソシストが収められている。ストーリーは1970年代に話題となった映画「エクソシスト」と酷似している。
当方は、バチカン放送(独語電子版)が29日、そのホラー映画を紹介していたことに興味をそそられた。夏の休暇シーズンで話題が乏しかったこと、映画の舞台がバチカンだったことも十分考えられるが、「バチカン・テープ」がやはりエクソシストをテーマとしていたからだろう。すなわち、昔と違い、バチカンはエクソシストの活動を積極的に報じるようになったわけだ。
「神の存在」を問う知識人は少なくないが、「悪魔の存在」を考える者は少ない。しかし、悪魔の存在は聖書では約300回、言及されている。すなわち、悪魔は神と同様、存在している(神と悪魔との関係、神の創造世界になぜ悪魔が存在するか、等の問題は非常に重要なテーマだが、ここでは扱わない)。
バチカン法王庁聖職者省は昨年7月3日、「国際エクソシスト協会」(AIE)をカトリック団体として公認すると発表している。AIEには30カ国から約250人のエクソシストが所属している。
著名なエクソシストとしては、昨年4月27日、列聖されたローマ法王ヨハネ・パウロ2世(在位1978〜2005年)がいる。また、ザンビア出身のエマニュエル・ミリンゴ大司教は世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創設者、故文鮮明師の主礼で結婚したためバチカンから破門されたが、ヨハネ・パウロ2世が信頼していたエクソシストの一人だった(「バチカンと「悪魔」の関係について」2014年7月7日参考)。
当方はこのコラム欄でも数回、エクソシストについて紹介し、悪魔に憑依されたケースが増えてきていると報じた。エクソシストに悪魔祓いを願う人々が少なくないのだ。映画のプロットは非現実的と一蹴できないのだ。
バチカン法王庁は1999年、悪魔祓いの儀式(1614年)を修正し、新エクソシズム儀式を公表している。新儀式では、1)医学や心理学の知識を決して除外してはならない、2)霊に憑かれた人間が本当に病気ではないかをチェックする、3)秘密を厳守する、4)教区司教の許可を得る――など条件が列記されている。精神的病と霊的現象の識別が大切となるわけだ。
映画「バチカン・テープ」はホラー映画であり、表現シーンは行き過ぎた面もあるが、映画は悪魔が存在することを鮮明に物語っている。悪魔の存在が理解できれば、人生を生きていくうえで大きな助けとなることは間違いないだろう。なぜならば、悪魔が最も嫌うことは、自分の存在がばれることだからだ。その意味から、映画「バチカン・テープ」を鑑賞してみるのもいいだろう。

▲映画「バチカン・テープ」のカバー
当方は予告編を観たが、「バチカン・テープ」はホラー・サスペンス映画だ。監督は「アドレナリン」や「ゴーストライダー2」のマーク・ネヴェルダイン(Mark Neveldine)氏。悪魔に憑かれた女性役にはオリビア・ダドリー(Olivia Taylor-Dudley)が演じている。上演時間は91分間だ。
バチカン内の古文書保管所で秘密のテープが発見されたことからストーリーが始まる。そのテープには、悪魔に憑依された女性から悪魔を払うために苦闘する神父と2人のエクソシストが収められている。ストーリーは1970年代に話題となった映画「エクソシスト」と酷似している。
当方は、バチカン放送(独語電子版)が29日、そのホラー映画を紹介していたことに興味をそそられた。夏の休暇シーズンで話題が乏しかったこと、映画の舞台がバチカンだったことも十分考えられるが、「バチカン・テープ」がやはりエクソシストをテーマとしていたからだろう。すなわち、昔と違い、バチカンはエクソシストの活動を積極的に報じるようになったわけだ。
「神の存在」を問う知識人は少なくないが、「悪魔の存在」を考える者は少ない。しかし、悪魔の存在は聖書では約300回、言及されている。すなわち、悪魔は神と同様、存在している(神と悪魔との関係、神の創造世界になぜ悪魔が存在するか、等の問題は非常に重要なテーマだが、ここでは扱わない)。
バチカン法王庁聖職者省は昨年7月3日、「国際エクソシスト協会」(AIE)をカトリック団体として公認すると発表している。AIEには30カ国から約250人のエクソシストが所属している。
著名なエクソシストとしては、昨年4月27日、列聖されたローマ法王ヨハネ・パウロ2世(在位1978〜2005年)がいる。また、ザンビア出身のエマニュエル・ミリンゴ大司教は世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創設者、故文鮮明師の主礼で結婚したためバチカンから破門されたが、ヨハネ・パウロ2世が信頼していたエクソシストの一人だった(「バチカンと「悪魔」の関係について」2014年7月7日参考)。
当方はこのコラム欄でも数回、エクソシストについて紹介し、悪魔に憑依されたケースが増えてきていると報じた。エクソシストに悪魔祓いを願う人々が少なくないのだ。映画のプロットは非現実的と一蹴できないのだ。
バチカン法王庁は1999年、悪魔祓いの儀式(1614年)を修正し、新エクソシズム儀式を公表している。新儀式では、1)医学や心理学の知識を決して除外してはならない、2)霊に憑かれた人間が本当に病気ではないかをチェックする、3)秘密を厳守する、4)教区司教の許可を得る――など条件が列記されている。精神的病と霊的現象の識別が大切となるわけだ。
映画「バチカン・テープ」はホラー映画であり、表現シーンは行き過ぎた面もあるが、映画は悪魔が存在することを鮮明に物語っている。悪魔の存在が理解できれば、人生を生きていくうえで大きな助けとなることは間違いないだろう。なぜならば、悪魔が最も嫌うことは、自分の存在がばれることだからだ。その意味から、映画「バチカン・テープ」を鑑賞してみるのもいいだろう。