オーストリア内務省は今年、全国の警察の交番(駐在所)の数を削減していく意向だ。モットーは‘現代的な警察‘だ。ヨハンナー・ミクルライトナー内相が28日公表したところによると、特別州のウィーン市を除く8州にある811箇所の交番・駐在所のうち、122カ所を閉鎖する。人口最大のウィーン市(2010年9月時点168万人)に対しては、2月末までに詳細な計画を決定するという。

▲交番・駐在所の再編に乗り出すオーストリア内務省
内務省の交番(駐在所)閉鎖計画が公表されると、予想されたことだが、多数の交番が閉鎖される州、ケルンテン州やブルゲンランド州の知事から「交番の閉鎖案は受け入れられない」「州民の安全を脅かす」といった批判の声が上がっている。
それに対し、ミクルライトナー内相は「交番・駐在所を閉鎖しても国民の安全は脅かされない」と強調し、「事件が発生すれば、昔は交番まで駆けつけて助けを求めたが、今日、大多数の国民(約98%)は携帯電話で警察に連絡する。時代の変化に応じて警察機構も編成し直す必要がある」と理解を求めている。
内務省の計画では、交番・駐在所閉鎖で浮いた人材は「犯罪の現場や担当地域の監視などに投入される。また、コンピューター犯罪、サイバー犯罪に対して対応できる専門家の育成など、警察官の専門教育に力を入れていく」という。
現在92カ所の交番・駐在所を持つケルンテン州では近い将来、22カ所が閉鎖される予定だ。カイザー同州知事は「近くの交番が無くなれば、次の交番まで5キロ以上離れている処もある。州民の不安は大きい」と述べ、内務省の閉鎖計画には強く反対し、来月7日に市長らを招き、今後の対策を検討するという。ちなみに、警察官と州民の比率は1対7928人だ。
内務省の計画通り実施されれば現交番・駐在所の7件に1件は閉鎖される。内務省が閉鎖を強行する背景について、「政府の節約政策の反映がある」という声が野党側から聞かれる。それに対し、ミクルライトナー内相は「国民の安全問題に対して節約する考えはない。内務省は3800万ユーロの節約が求められているが、交番・駐在所の閉鎖は節約政策とは全く関係がない」と反論している。
なお、特別州ウィーン市は犯罪急増に対応するために来年までに1000人の警察官の増員を要請中だ。同市の人口と警察官の比率は1対1万7993人だ。ただし、「交番・駐在所の縮小計画でウィーン市を例外扱いはしない。人口が多いので目下、詳細な調査中だ」(内務省)という。
参考までに同国の昨年上半期の犯罪統計を紹介する。犯罪総件数は26万5533件で前年同期比で0・3%と微増だったが、ウィーン市では10万4260件で前年同期比で3・9%と増加した。インターネット犯罪の場合、オーストリア全土で昨年上半期6413件で、前年同期比で63・1%と急増した。

▲交番・駐在所の再編に乗り出すオーストリア内務省
内務省の交番(駐在所)閉鎖計画が公表されると、予想されたことだが、多数の交番が閉鎖される州、ケルンテン州やブルゲンランド州の知事から「交番の閉鎖案は受け入れられない」「州民の安全を脅かす」といった批判の声が上がっている。
それに対し、ミクルライトナー内相は「交番・駐在所を閉鎖しても国民の安全は脅かされない」と強調し、「事件が発生すれば、昔は交番まで駆けつけて助けを求めたが、今日、大多数の国民(約98%)は携帯電話で警察に連絡する。時代の変化に応じて警察機構も編成し直す必要がある」と理解を求めている。
内務省の計画では、交番・駐在所閉鎖で浮いた人材は「犯罪の現場や担当地域の監視などに投入される。また、コンピューター犯罪、サイバー犯罪に対して対応できる専門家の育成など、警察官の専門教育に力を入れていく」という。
現在92カ所の交番・駐在所を持つケルンテン州では近い将来、22カ所が閉鎖される予定だ。カイザー同州知事は「近くの交番が無くなれば、次の交番まで5キロ以上離れている処もある。州民の不安は大きい」と述べ、内務省の閉鎖計画には強く反対し、来月7日に市長らを招き、今後の対策を検討するという。ちなみに、警察官と州民の比率は1対7928人だ。
内務省の計画通り実施されれば現交番・駐在所の7件に1件は閉鎖される。内務省が閉鎖を強行する背景について、「政府の節約政策の反映がある」という声が野党側から聞かれる。それに対し、ミクルライトナー内相は「国民の安全問題に対して節約する考えはない。内務省は3800万ユーロの節約が求められているが、交番・駐在所の閉鎖は節約政策とは全く関係がない」と反論している。
なお、特別州ウィーン市は犯罪急増に対応するために来年までに1000人の警察官の増員を要請中だ。同市の人口と警察官の比率は1対1万7993人だ。ただし、「交番・駐在所の縮小計画でウィーン市を例外扱いはしない。人口が多いので目下、詳細な調査中だ」(内務省)という。
参考までに同国の昨年上半期の犯罪統計を紹介する。犯罪総件数は26万5533件で前年同期比で0・3%と微増だったが、ウィーン市では10万4260件で前年同期比で3・9%と増加した。インターネット犯罪の場合、オーストリア全土で昨年上半期6413件で、前年同期比で63・1%と急増した。