明日から2014年がスタートする。14年には欧州議会選挙、インド総選挙が予定されている一方、日本では2月、猪瀬知事の退陣を受け東京都知事選が挙行される。同時に、第一次世界大戦勃発100年目を迎え、関係国では記念イベントが予定されている。スポーツ・ファンにとっては、2月のソチ冬季五輪大会、6月12日からFIFAワールドカップのブラジル大会の2大イベントが待っている。

▲風になびく北の国旗(2013年4月11日、ウィーンで撮影)
ところで、新年の北朝鮮はどうだろうか。父親の金正日総書記から政権を世襲した金正恩第1書記は3年目に入り、いよいよその政治手腕が問われる年となる。父親・金正日総書記の突然の死去で政権が転がり込んできた直後、叔父の張成沢氏の入れ知恵もあって不足するカリスマ性を補うために祖父・金主席の言動を摸倣してきた。父親とは違い、重要な大会では生の演説をし、髪型も祖父に似たスタイルに変え、祖父世代にノスタルジーを呼び起こした。同時に、ファースト・レディ李雪主夫人を連れて遊園地やコンサートを鑑賞し、若い世代向けにも新鮮なイメージを与えることも忘れなかった。
しかし、祖父摸倣プロセスもここにきて一息をつき、独自のスタイルを前面に打ち出す新しいイメージ作戦に乗り出した。祖父の生誕101年祭で祖父の功績を称えるというより、米韓との軍事抗争に立ち向かい「孤高の指導者」というイメージを前面に出し、祖父の功績を想起するといった懐古趣味はまったくない。その矢先、2年間余り、政権を背後から支援してきた叔父を処刑することで、3代世襲政権で初めて親族を処刑した指導者として国民に記憶されることになったわけだ。
注視していたことは1月8日の正恩氏の誕生日が公休日となるかだ。過去2年間、正恩氏の誕生日は同国のカレンダーには祝日ではなかった。北朝鮮では故金正日労働党総書記時代、故金日成主席と総書記の誕生日は国家祝日だった。故金主席の誕生日4月15日は「太陽節」、故金総書記の誕生日の2月16日は「民族最大の名節(祝日)」に定められ、国家祝日となっている。国民はその日、特別の食糧配給を受けたり、子供たちにはお菓子などが配られたものだ。北消息筋が「金正恩氏はは自身の誕生日はあくまで個人の問題であり、国家祝日として祝うものではないと考えている」と説明していたことを思い出す。なお、北情報誌デイリーNKによれば、「2014年も法廷祝日に指定されていない」という。
金正恩第1書記は今年1月1日、「新年の辞」の中で「経済強国建設」を今年の主要目標に掲げ、経済特区を設置し、外資誘致などの改革に乗り出す姿勢を示したが、張氏処刑でその経済政策も水泡に帰した感じがする。金正恩氏にとって、「張氏問題は終わった。次は経済立て直しだ」ということになるが、国際社会は金正恩氏の恐慌政策にショックを受け、北側との経済交流といった雰囲気はまったくない。
金正恩第1書記は3月31日、労働党中央委員会総会で「経済・核武装並行路線」を表明したが、金第1書記の唯一領導体制を確立した北がどのような道を模索するかは、朝鮮半島ばかりか、世界の政治状況にも影響する重大関心事である点では新年も変わらないだろう。

▲風になびく北の国旗(2013年4月11日、ウィーンで撮影)
ところで、新年の北朝鮮はどうだろうか。父親の金正日総書記から政権を世襲した金正恩第1書記は3年目に入り、いよいよその政治手腕が問われる年となる。父親・金正日総書記の突然の死去で政権が転がり込んできた直後、叔父の張成沢氏の入れ知恵もあって不足するカリスマ性を補うために祖父・金主席の言動を摸倣してきた。父親とは違い、重要な大会では生の演説をし、髪型も祖父に似たスタイルに変え、祖父世代にノスタルジーを呼び起こした。同時に、ファースト・レディ李雪主夫人を連れて遊園地やコンサートを鑑賞し、若い世代向けにも新鮮なイメージを与えることも忘れなかった。
しかし、祖父摸倣プロセスもここにきて一息をつき、独自のスタイルを前面に打ち出す新しいイメージ作戦に乗り出した。祖父の生誕101年祭で祖父の功績を称えるというより、米韓との軍事抗争に立ち向かい「孤高の指導者」というイメージを前面に出し、祖父の功績を想起するといった懐古趣味はまったくない。その矢先、2年間余り、政権を背後から支援してきた叔父を処刑することで、3代世襲政権で初めて親族を処刑した指導者として国民に記憶されることになったわけだ。
注視していたことは1月8日の正恩氏の誕生日が公休日となるかだ。過去2年間、正恩氏の誕生日は同国のカレンダーには祝日ではなかった。北朝鮮では故金正日労働党総書記時代、故金日成主席と総書記の誕生日は国家祝日だった。故金主席の誕生日4月15日は「太陽節」、故金総書記の誕生日の2月16日は「民族最大の名節(祝日)」に定められ、国家祝日となっている。国民はその日、特別の食糧配給を受けたり、子供たちにはお菓子などが配られたものだ。北消息筋が「金正恩氏はは自身の誕生日はあくまで個人の問題であり、国家祝日として祝うものではないと考えている」と説明していたことを思い出す。なお、北情報誌デイリーNKによれば、「2014年も法廷祝日に指定されていない」という。
金正恩第1書記は今年1月1日、「新年の辞」の中で「経済強国建設」を今年の主要目標に掲げ、経済特区を設置し、外資誘致などの改革に乗り出す姿勢を示したが、張氏処刑でその経済政策も水泡に帰した感じがする。金正恩氏にとって、「張氏問題は終わった。次は経済立て直しだ」ということになるが、国際社会は金正恩氏の恐慌政策にショックを受け、北側との経済交流といった雰囲気はまったくない。
金正恩第1書記は3月31日、労働党中央委員会総会で「経済・核武装並行路線」を表明したが、金第1書記の唯一領導体制を確立した北がどのような道を模索するかは、朝鮮半島ばかりか、世界の政治状況にも影響する重大関心事である点では新年も変わらないだろう。