独週刊誌シュピーゲル(電子版)によると、ドイツ国内に約400万人がいるイスラム教徒の代表、独イスラム中央評議会のアイマン・マツェク会長が、「イスラム教の祭日をドイツ連邦の法定休日としてほしい」と要望しているという。同会長は、ウルフ独前大統領が在任中、「イスラム教はドイツ社会に属する」と発言したことを想起させ、「イスラム教の2大祝日、ラマダン明けの祭り(イード・アル・ファトル)と犠牲祭(イード・アル・アドバー)の2日が法定祝日となれば、政府が推進する統合政策の大きな成果と評価されるだろう」とアピールしている。

▲ラファエロ・サンティ作「十字架降下」
もちろん、ドイツはキリスト教社会だ。イスラム教側の要望が即歓迎されることは考えられない。実際、与党キリスト教民主同盟(CDU)の議員からは「わが国はイスラム教の伝統を有する社会ではない」と強い反発が聞かれるという。。ただし、ハンブルク市など独の一部で、イスラム教信者の労働者が雇用者側に祝日の休暇を要請できる権利が認められている。
メルケル独首相は2010年10月16日、「多文化主義は完全に失敗した。わが国は今後、統合された社会建設を目指さなければならない」と述べて、注目された。これは国内のイスラム系住民がゲットーを構築し、テロの温床となる危険性を回避するため、移住者の社会統合政策の強化が急務だということだ。イスラム教祭日の法定祝日化は社会統合政策の前進をもたらすのかどうかは、不明だ。
参考までに紹介すると、多民族国家のシンガポールでは、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教の各宗教の主要祭日が法定祝日となっている、といった具合だ。
ちなみに、ドイツで生じていることは一定の間隔を置いて隣国オーストリアに波及するのは常だが、オーストリアのイスラム教代表がドイツのイスラム教代表と同じように、イスラム教祝日の法定祝日化を要求してきた。
オーストリアのカトプレス通信によると、同国のイスラム教側は「ラマダンと犠牲祭の2大祝日を法定祝日にすることで、イスラム教徒は祝日を家族と一緒に祝うことができる」と説明。オーストリアの場合、イスラム教側だけではない。ユダヤ教側からも「新年(Rosch ha-Schana)と大贖罪の日(Jom Kippur)の2日のユダヤ教の祝日を法定祝日としてほしい」という要請が出ているが、いずれもオーストリア商工会議所などから反対の声が強い。

▲ラファエロ・サンティ作「十字架降下」
もちろん、ドイツはキリスト教社会だ。イスラム教側の要望が即歓迎されることは考えられない。実際、与党キリスト教民主同盟(CDU)の議員からは「わが国はイスラム教の伝統を有する社会ではない」と強い反発が聞かれるという。。ただし、ハンブルク市など独の一部で、イスラム教信者の労働者が雇用者側に祝日の休暇を要請できる権利が認められている。
メルケル独首相は2010年10月16日、「多文化主義は完全に失敗した。わが国は今後、統合された社会建設を目指さなければならない」と述べて、注目された。これは国内のイスラム系住民がゲットーを構築し、テロの温床となる危険性を回避するため、移住者の社会統合政策の強化が急務だということだ。イスラム教祭日の法定祝日化は社会統合政策の前進をもたらすのかどうかは、不明だ。
参考までに紹介すると、多民族国家のシンガポールでは、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教の各宗教の主要祭日が法定祝日となっている、といった具合だ。
ちなみに、ドイツで生じていることは一定の間隔を置いて隣国オーストリアに波及するのは常だが、オーストリアのイスラム教代表がドイツのイスラム教代表と同じように、イスラム教祝日の法定祝日化を要求してきた。
オーストリアのカトプレス通信によると、同国のイスラム教側は「ラマダンと犠牲祭の2大祝日を法定祝日にすることで、イスラム教徒は祝日を家族と一緒に祝うことができる」と説明。オーストリアの場合、イスラム教側だけではない。ユダヤ教側からも「新年(Rosch ha-Schana)と大贖罪の日(Jom Kippur)の2日のユダヤ教の祝日を法定祝日としてほしい」という要請が出ているが、いずれもオーストリア商工会議所などから反対の声が強い。