オーストリア内務省は先日、2011年度「憲法擁護報告書」(117頁)を公表した。そこで昨年度極右過激派の動向を読者に報告する。
「極右過激派の活動は国の安全や憲法を脅かすほど深刻なものではない。極右活動グループの中でもその思想、活動方針ばかりか、組織の緊密度でも相違がある。その上、極右過激派の世代交代も進み、若い活動家たちは現行の組織に拘束されることが少ない。例えば、極右過激派グループの犯行とされた事件でも組織に所属しない一匹狼の極右過激派の犯行だったこともある」という。
極右過激派を、(1)戦争世代の活動家たち、(2)ネオナチ、(3)サブ・カルチャー的極右過激派、スキンヘッツ、などに分類。その思想や活動内容はインターネットを通じて拡大されている。
極右過激派による2010年度の告訴件数は1040件で、前年度(791件)比で31・4%急増した。
具体的には、ナチ禁止法(Verbotgesetz)違反は522件、扇動罪(刑法283条)79件、その他刑法違反(物件破損、身体損傷、恐喝など)380件、記号・符号法違反(禁止されている組織のシンボル、制服などを公共の場で展示したり、使用する事を禁止)20件、行政訴訟法への導入法違反39件などだ。
告訴された極右過激派の数は昨年度405人(09年度338人)。その内、女性は22人だった。
【短信】ベルリンで自動車放火事件が多発
警察官の黒人男性射殺事件が契機となってイギリス全土に暴動と略奪事件が発生、多数の死傷者が出たことはまだ記憶に新しいが、ドイツの首都ベルリン市ではここ数年、路上に駐車中の自動車が何者かに放火されるという事件が多発している。
ベルリン警察当局の報告では、今月16日未明に11台、17日未明には15台の自動車が放火された。今年1月から8月現在まで130台以上の車が放火されている。異常な数だ。
自動車放火の多発地域はベルリン市内でも中産階級以上の住宅が密集している処で、放火される自動車はベンツ、BMW、アウディなど高級車が多いという。警察関係者は「裕福な市民への報復といった政治的意図が感じられる」として、「政治的動機に基づく犯罪」(PMK)と受け取っている。
警察当局は「車の放火は時間がかからない。市民から通報があって現場に駆けつけても犯人はいない」と述べ、自動車放火犯人の拘束は非常に難しいという。ちなみに、放火の時間帯は深夜午前0時30分から2時半の間に集中している。
ベルリン検察庁は17日、放火犯人に繋がる情報提供者へ5000ユーロの報償を提供すると発表している。
ベルリン市では9月、市議会選挙が実施されるが、“ヴァンダリズム(Vandalismus)”対策が選挙争点に浮上してきた。
「極右過激派の活動は国の安全や憲法を脅かすほど深刻なものではない。極右活動グループの中でもその思想、活動方針ばかりか、組織の緊密度でも相違がある。その上、極右過激派の世代交代も進み、若い活動家たちは現行の組織に拘束されることが少ない。例えば、極右過激派グループの犯行とされた事件でも組織に所属しない一匹狼の極右過激派の犯行だったこともある」という。
極右過激派を、(1)戦争世代の活動家たち、(2)ネオナチ、(3)サブ・カルチャー的極右過激派、スキンヘッツ、などに分類。その思想や活動内容はインターネットを通じて拡大されている。
極右過激派による2010年度の告訴件数は1040件で、前年度(791件)比で31・4%急増した。
具体的には、ナチ禁止法(Verbotgesetz)違反は522件、扇動罪(刑法283条)79件、その他刑法違反(物件破損、身体損傷、恐喝など)380件、記号・符号法違反(禁止されている組織のシンボル、制服などを公共の場で展示したり、使用する事を禁止)20件、行政訴訟法への導入法違反39件などだ。
告訴された極右過激派の数は昨年度405人(09年度338人)。その内、女性は22人だった。
【短信】ベルリンで自動車放火事件が多発
警察官の黒人男性射殺事件が契機となってイギリス全土に暴動と略奪事件が発生、多数の死傷者が出たことはまだ記憶に新しいが、ドイツの首都ベルリン市ではここ数年、路上に駐車中の自動車が何者かに放火されるという事件が多発している。
ベルリン警察当局の報告では、今月16日未明に11台、17日未明には15台の自動車が放火された。今年1月から8月現在まで130台以上の車が放火されている。異常な数だ。
自動車放火の多発地域はベルリン市内でも中産階級以上の住宅が密集している処で、放火される自動車はベンツ、BMW、アウディなど高級車が多いという。警察関係者は「裕福な市民への報復といった政治的意図が感じられる」として、「政治的動機に基づく犯罪」(PMK)と受け取っている。
警察当局は「車の放火は時間がかからない。市民から通報があって現場に駆けつけても犯人はいない」と述べ、自動車放火犯人の拘束は非常に難しいという。ちなみに、放火の時間帯は深夜午前0時30分から2時半の間に集中している。
ベルリン検察庁は17日、放火犯人に繋がる情報提供者へ5000ユーロの報償を提供すると発表している。
ベルリン市では9月、市議会選挙が実施されるが、“ヴァンダリズム(Vandalismus)”対策が選挙争点に浮上してきた。