ウィーンに本部を置く国連工業開発機関(UNIDO)はもはや再生の力を失っているようだ。
来年に入ると2桁以上の上級職員が退職する。そうなれば、残念ながら、UNIDOはその機能を履行できなくなるのではないか、と懸念されているのだ。
国連の専門機関として、UNIDO内部は「腐敗」と「縁故主義」で覆われている。UNIDOの職員が匿名条件に語ったところによると、旧ソ連KGB出身のロシア人幹部の周辺には、「若くでセクシーな女性たちが仕事などなく、うろうろしている」というのだ。ちょとした週刊誌ネタだが、「事実は小説より奇なり」といったところだ。同氏はプーチン首相の知己だという。
プロジェクトを推進する時も通常予算から拠出されているにも関らず、追加資金を要求し、それを密かに利用するケースが少なくないのだ(UNIDO職員)。
「グリーン産業の促進」を提唱しているが、グリーン産業が何かを具体的に答えられる職員は少ない。考えられないことだが、UNIDO内部の実態だ。
それに対し、最大の分担金を担う日本は依然、UNIDOを支援している。だから、「日本は2カ国間で支援活動を実施した方が、相手国から感謝されるし、資金を有効に利用できる」といった助言が聞かれるほどだ。
UNIDO工業開発理事会(IDB)が先日開かれ、2012、13年の両年の予算が決定された。それによると、12年度はゼロ成長だが、13年度はマイナス8%の大幅縮小予算だ。その主な理由は、英国が12年末に脱会するため、13年度の予算からその分担金が消えるためだ。どの加盟国も英国の分担金を肩代わりする意思のないことを表明済みだ。
UNIDOはもはや生き延びることが出来ないのか。ウィーンの国連消息筋によると、「一つだけ道がある」という。13年に入ると、カンデ・ユムケラー現事務局長の2期目の任期が終わり、新しい事務局長が選出される。次期事務局長はアジア地域から選出される。アジア出身の事務局長が就任すれば、「今より腐敗が少なくなり、節約モードになるだろう」と期待されているからだ。
具体的な候補国として、日本、韓国、中国の3国が挙げられるが、3国とも既に国連機関のトップを握っている。日本の場合、国際原子力機関(IAEA)の事務局長に天野之弥氏だ。韓国の場合、潘基文事務総長、中国の場合は世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長がいる。だから、日韓中3国以外のアジア地域からUNIDOのトップが選出されるというわけだ。
参考までに、ウィーン国連内で囁かれている噂を紹介する。それによると、天野事務局長の1期目任期は13年で終わり、2期目を断念するシナリオだ。すなわち、「天野氏1期止まり」説だ。
その背景には、UNIDOのトップに最大分担金拠出国の日本から事務局長を担ぎ出す余地が生まれ、同時にUNIDOの生存の道が開かれる一方、IAEAにとっても、加盟国内のアンチ天野陣営を宥めることができるというのだ。それゆえに、UNIDOとIAEA両機関から「天野氏任期1期止まり」説が密かに願われている、というのだ。
来年に入ると2桁以上の上級職員が退職する。そうなれば、残念ながら、UNIDOはその機能を履行できなくなるのではないか、と懸念されているのだ。
国連の専門機関として、UNIDO内部は「腐敗」と「縁故主義」で覆われている。UNIDOの職員が匿名条件に語ったところによると、旧ソ連KGB出身のロシア人幹部の周辺には、「若くでセクシーな女性たちが仕事などなく、うろうろしている」というのだ。ちょとした週刊誌ネタだが、「事実は小説より奇なり」といったところだ。同氏はプーチン首相の知己だという。
プロジェクトを推進する時も通常予算から拠出されているにも関らず、追加資金を要求し、それを密かに利用するケースが少なくないのだ(UNIDO職員)。
「グリーン産業の促進」を提唱しているが、グリーン産業が何かを具体的に答えられる職員は少ない。考えられないことだが、UNIDO内部の実態だ。
それに対し、最大の分担金を担う日本は依然、UNIDOを支援している。だから、「日本は2カ国間で支援活動を実施した方が、相手国から感謝されるし、資金を有効に利用できる」といった助言が聞かれるほどだ。
UNIDO工業開発理事会(IDB)が先日開かれ、2012、13年の両年の予算が決定された。それによると、12年度はゼロ成長だが、13年度はマイナス8%の大幅縮小予算だ。その主な理由は、英国が12年末に脱会するため、13年度の予算からその分担金が消えるためだ。どの加盟国も英国の分担金を肩代わりする意思のないことを表明済みだ。
UNIDOはもはや生き延びることが出来ないのか。ウィーンの国連消息筋によると、「一つだけ道がある」という。13年に入ると、カンデ・ユムケラー現事務局長の2期目の任期が終わり、新しい事務局長が選出される。次期事務局長はアジア地域から選出される。アジア出身の事務局長が就任すれば、「今より腐敗が少なくなり、節約モードになるだろう」と期待されているからだ。
具体的な候補国として、日本、韓国、中国の3国が挙げられるが、3国とも既に国連機関のトップを握っている。日本の場合、国際原子力機関(IAEA)の事務局長に天野之弥氏だ。韓国の場合、潘基文事務総長、中国の場合は世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長がいる。だから、日韓中3国以外のアジア地域からUNIDOのトップが選出されるというわけだ。
参考までに、ウィーン国連内で囁かれている噂を紹介する。それによると、天野事務局長の1期目任期は13年で終わり、2期目を断念するシナリオだ。すなわち、「天野氏1期止まり」説だ。
その背景には、UNIDOのトップに最大分担金拠出国の日本から事務局長を担ぎ出す余地が生まれ、同時にUNIDOの生存の道が開かれる一方、IAEAにとっても、加盟国内のアンチ天野陣営を宥めることができるというのだ。それゆえに、UNIDOとIAEA両機関から「天野氏任期1期止まり」説が密かに願われている、というのだ。