オバマ米大統領は昨年8月31日、イラクでの戦闘終結を宣言する演説をし、今後はアフガンの対テロ戦略に重点を置くことを明らかにしたが、米軍のプレゼンスが縮小する中、イラクでは政府高官の腐敗と汚職が蔓延してきた。
「マーリキー政権関係者の間で汚職、公金横領など腐敗が広がり、国際社会の対イラク支援資金が政府高官の海外銀行口座に振り込まれている」という。ウィーン在住のイラク人実業家が匿名を条件で語ったもの。
同実業家は「マーリキー政権下では政府高官、事業請負業者などの汚職、横領が日常茶飯事だ。政府高官らは欧米諸国からの支援資金を着服し、レバノンの銀行口座などに移している。銀行の中にはヒズボラ系銀行も含まれている」という(ヒズボラは1982年、親イランのシーア派政党として設立された。イランから資金支援を受けて反米、反イスラエル活動を行っている)。
その一方、「首都バクダッドでも1日数時間の電力しか供給されず、市民は政権への不満が溜まってきている。北部キルクークでも状況は変わらない」という。
イラク国民運動(イラキヤ)の指導者イヤード・ アラウィ氏らは国民を動員してマーリキー政権の打倒に乗り出してきた。「イラクでもリビアやエジプトと同様、市民の民主化運動が起きるだろう」と予想する声も出てきた。
実際、金曜日の25日、「怒りの日」と銘打った政府批判のデモがあり、北部モスルでは治安部隊の発砲で5人が死亡している。デモは、北はキルクークから南はバスラまで全土で行われた。首都バグダッドでは約2000人、バスラでは3000人がデモに参加したという。
イラクでは昨年3月、議会選挙が実施され、同年12月20日になってやっと政党間で妥協が成立して第2次マーリキー政権が発足したばかりだが、国民からはもう退陣を要求されている有様だ。その主因は政権内の権力争い、政府高官の腐敗が挙げられている。もちろん、チュニジア、エジプト、リビアなど北アフリカのアラブ諸国で広がる民主化運動の影響も否定できないだろう。
アフガニスタンのカルザイ政権内では腐敗が席巻、国際支援の多くが政府高官の個人の懐に流れていると指摘されてきたが、イラク政権内の高官の腐敗は「アフガンに似てきた」という。イラクが“第2のアフガン”の様相を深めてきたわけだ。
「マーリキー政権関係者の間で汚職、公金横領など腐敗が広がり、国際社会の対イラク支援資金が政府高官の海外銀行口座に振り込まれている」という。ウィーン在住のイラク人実業家が匿名を条件で語ったもの。
同実業家は「マーリキー政権下では政府高官、事業請負業者などの汚職、横領が日常茶飯事だ。政府高官らは欧米諸国からの支援資金を着服し、レバノンの銀行口座などに移している。銀行の中にはヒズボラ系銀行も含まれている」という(ヒズボラは1982年、親イランのシーア派政党として設立された。イランから資金支援を受けて反米、反イスラエル活動を行っている)。
その一方、「首都バクダッドでも1日数時間の電力しか供給されず、市民は政権への不満が溜まってきている。北部キルクークでも状況は変わらない」という。
イラク国民運動(イラキヤ)の指導者イヤード・ アラウィ氏らは国民を動員してマーリキー政権の打倒に乗り出してきた。「イラクでもリビアやエジプトと同様、市民の民主化運動が起きるだろう」と予想する声も出てきた。
実際、金曜日の25日、「怒りの日」と銘打った政府批判のデモがあり、北部モスルでは治安部隊の発砲で5人が死亡している。デモは、北はキルクークから南はバスラまで全土で行われた。首都バグダッドでは約2000人、バスラでは3000人がデモに参加したという。
イラクでは昨年3月、議会選挙が実施され、同年12月20日になってやっと政党間で妥協が成立して第2次マーリキー政権が発足したばかりだが、国民からはもう退陣を要求されている有様だ。その主因は政権内の権力争い、政府高官の腐敗が挙げられている。もちろん、チュニジア、エジプト、リビアなど北アフリカのアラブ諸国で広がる民主化運動の影響も否定できないだろう。
アフガニスタンのカルザイ政権内では腐敗が席巻、国際支援の多くが政府高官の個人の懐に流れていると指摘されてきたが、イラク政権内の高官の腐敗は「アフガンに似てきた」という。イラクが“第2のアフガン”の様相を深めてきたわけだ。