北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)の記事(英語版)に目を通すのは当方の日課となっているが、今年に入って「Dialog」(対話)、「Talks」(会談)といった言葉が目に付く。
北の政情を知らない人がKCNAの記事を初めて読めば、「北朝鮮ってなんと平和を愛する国だろう」というイメージを持つかもしれないが、韓国哨戒艦「天安」爆破事件や韓国・延坪島砲撃が北軍の仕業だと知っている多くの人々は、「北朝鮮の得意な対話攻勢だ」と見破ってしまうのに余り時間はかからないだろう。それにしても、北朝鮮は目下、「対話」を自国の困難を突破する“キーワード”として頻繁に使用している。
北当局が本当に「対話」信奉者だとすれば、どうして韓国哨戒艦「天安」爆破事件や韓国・延坪島砲撃を行ったのだろうか。そんなことをいっても仕方がないが、北朝鮮の言動は「言行不一致」の典型的な実例だ。それも今始まったことではない。
ここで注意しなければならない点は、北が使用する「対話」は不利益な状況が生じ、国際社会から一層孤立化した直後に使用する言葉だ、ということだ。すなわち、北にとって「対話」は「事後処理のための手段」であって、決して「紛争解決の手段」ではないということだ。
換言すれば、「対話」を通じて紛争を解決するのではなく、紛争後生じた困難な状況を緩和し、修正するための手段といえるわけだ。だから、北との対話で問題が解決できると信じる人は遅かれ早かれ失望を余儀なくされる。
KCNAは8日以降、連日、韓国に北朝鮮の対話提案を受け入れるべきだという趣旨の記事を掲載している。その場合、北当局が対話を要求するという形式だけではなく、海外の北朝鮮友好協会関係者の主張といった形式が多い。
KCNAの報道は昔から巧妙だ。あたかも、韓国以外の世界の国は北朝鮮の主張を支持している、といった報道姿勢だ(客観報道といった言論倫理はKCNA記者たちには通じない)。
韓国統一省は6日、北朝鮮が同国との無条件対話を要求したことについて、「プロパガンダだ」と一蹴したが、ここでは北が「対話攻勢」で何を達成したいか、を考えてみたい。
先述したように、北の対話はあくまでも「事後処理のため」にある。それでは「どのような事後の処置か」だ。明らかなことは、韓国哨戒艦「天安」爆破事件や韓国・延坪島砲撃、その結果生じた南北間の緊迫した関係の「事後処理」だろう。
次に、「対話」がどうして必要かだ。南北関係の険悪化によって、韓国から食糧支援や物品支援が途絶えたからだ。米国が要求しているような「朝鮮半島の非核化」といった安全問題を協議するために「対話」が飛び出してきたのではない。ましてや、「天安」爆破事件や韓国・延坪島砲撃事件に対する謝罪のためでもない。
「対話」という言葉が北のメディアで頻繁に使用され出したら、「北当局は窮地に陥っている」と受け取って大きな間違いはないはずだ。
北の政情を知らない人がKCNAの記事を初めて読めば、「北朝鮮ってなんと平和を愛する国だろう」というイメージを持つかもしれないが、韓国哨戒艦「天安」爆破事件や韓国・延坪島砲撃が北軍の仕業だと知っている多くの人々は、「北朝鮮の得意な対話攻勢だ」と見破ってしまうのに余り時間はかからないだろう。それにしても、北朝鮮は目下、「対話」を自国の困難を突破する“キーワード”として頻繁に使用している。
北当局が本当に「対話」信奉者だとすれば、どうして韓国哨戒艦「天安」爆破事件や韓国・延坪島砲撃を行ったのだろうか。そんなことをいっても仕方がないが、北朝鮮の言動は「言行不一致」の典型的な実例だ。それも今始まったことではない。
ここで注意しなければならない点は、北が使用する「対話」は不利益な状況が生じ、国際社会から一層孤立化した直後に使用する言葉だ、ということだ。すなわち、北にとって「対話」は「事後処理のための手段」であって、決して「紛争解決の手段」ではないということだ。
換言すれば、「対話」を通じて紛争を解決するのではなく、紛争後生じた困難な状況を緩和し、修正するための手段といえるわけだ。だから、北との対話で問題が解決できると信じる人は遅かれ早かれ失望を余儀なくされる。
KCNAは8日以降、連日、韓国に北朝鮮の対話提案を受け入れるべきだという趣旨の記事を掲載している。その場合、北当局が対話を要求するという形式だけではなく、海外の北朝鮮友好協会関係者の主張といった形式が多い。
KCNAの報道は昔から巧妙だ。あたかも、韓国以外の世界の国は北朝鮮の主張を支持している、といった報道姿勢だ(客観報道といった言論倫理はKCNA記者たちには通じない)。
韓国統一省は6日、北朝鮮が同国との無条件対話を要求したことについて、「プロパガンダだ」と一蹴したが、ここでは北が「対話攻勢」で何を達成したいか、を考えてみたい。
先述したように、北の対話はあくまでも「事後処理のため」にある。それでは「どのような事後の処置か」だ。明らかなことは、韓国哨戒艦「天安」爆破事件や韓国・延坪島砲撃、その結果生じた南北間の緊迫した関係の「事後処理」だろう。
次に、「対話」がどうして必要かだ。南北関係の険悪化によって、韓国から食糧支援や物品支援が途絶えたからだ。米国が要求しているような「朝鮮半島の非核化」といった安全問題を協議するために「対話」が飛び出してきたのではない。ましてや、「天安」爆破事件や韓国・延坪島砲撃事件に対する謝罪のためでもない。
「対話」という言葉が北のメディアで頻繁に使用され出したら、「北当局は窮地に陥っている」と受け取って大きな間違いはないはずだ。