ローマ・カトリック教会最高指導者、ローマ法王べネディクト16世が24日、クリスマス・ミサ(Christmette)のためサンピエトロ大聖堂に向かう途上、1人の女性(25)が法王に飛びつき、警備員が素早く女性を倒したが、その勢いで法王も転倒したハプニングはまだ記憶に新しいニュースだ。
全世界のメディアは即、「ローマ法王、襲撃される」とセンセーショナルに報道した。ジャーナリストの中には、前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が1981年5月13日、サンピエトロ広場でアリ・アジャ(Ali Agca)の銃撃を受け、大怪我を負った事件を想起させる記事を送信した者もいた。YouTubeでは、女性が柵を越えて法王に飛びつこうとするシーンを撮影したビデオが流れた。
しかし、出来事はシンプルだ。精神的に不安定な若い女性が法王に接近しようとしただけだ。銃やナイフといった武器は持っていなかった。当方はブログ欄でハプニングを総括し、「若い女性がぶつかり、法王が倒れ、随伴していた枢機卿も転倒して、骨折した」と書く程度に留めたぐらいだ(「ローマ・カトリック教会の“老い”」2009年12月26日)。それ以上でも以下でもないだろう。ましてや、「襲撃」ではないことは明らかだ。
出来事がメディアによって大事件のように報道された結果、法王の肝心の記念ミサの内容はすっかり霞んでしまった……。バチカン法王庁の日刊紙オッセルバトーレのジョバニ・マリア・ビアン編集局長はこのように溜息混じりに嘆く。
ビアン編集長は「それでなくてもクリスマスのメッセージをメディアを通じて世界に発信することは容易でない。それが、ハプニングが生じたためメディアの関心がそこに集中し、救い主イエスの生誕に関する法王のミサ・メッセージは霞んでしまった」と、メディアの過大報道に不満を吐露する。
編集局長の嘆きは理解できるが、メディア関係者ならば、是非は別として、ローマ法王のクリスマス・ミサの内容よりも、若い女性が法王を転倒させたハプニングの方がニュース・バリューがあると直ぐに判断するだろう。
いずれにしても、82歳の法王に何もなかったのだから、バチカン側は法王のクリスマス・ミサが霞んでしまったと不平をいわず、法王転倒の過大報道の結果として甘受する以外にないだろう。
全世界のメディアは即、「ローマ法王、襲撃される」とセンセーショナルに報道した。ジャーナリストの中には、前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が1981年5月13日、サンピエトロ広場でアリ・アジャ(Ali Agca)の銃撃を受け、大怪我を負った事件を想起させる記事を送信した者もいた。YouTubeでは、女性が柵を越えて法王に飛びつこうとするシーンを撮影したビデオが流れた。
しかし、出来事はシンプルだ。精神的に不安定な若い女性が法王に接近しようとしただけだ。銃やナイフといった武器は持っていなかった。当方はブログ欄でハプニングを総括し、「若い女性がぶつかり、法王が倒れ、随伴していた枢機卿も転倒して、骨折した」と書く程度に留めたぐらいだ(「ローマ・カトリック教会の“老い”」2009年12月26日)。それ以上でも以下でもないだろう。ましてや、「襲撃」ではないことは明らかだ。
出来事がメディアによって大事件のように報道された結果、法王の肝心の記念ミサの内容はすっかり霞んでしまった……。バチカン法王庁の日刊紙オッセルバトーレのジョバニ・マリア・ビアン編集局長はこのように溜息混じりに嘆く。
ビアン編集長は「それでなくてもクリスマスのメッセージをメディアを通じて世界に発信することは容易でない。それが、ハプニングが生じたためメディアの関心がそこに集中し、救い主イエスの生誕に関する法王のミサ・メッセージは霞んでしまった」と、メディアの過大報道に不満を吐露する。
編集局長の嘆きは理解できるが、メディア関係者ならば、是非は別として、ローマ法王のクリスマス・ミサの内容よりも、若い女性が法王を転倒させたハプニングの方がニュース・バリューがあると直ぐに判断するだろう。
いずれにしても、82歳の法王に何もなかったのだから、バチカン側は法王のクリスマス・ミサが霞んでしまったと不平をいわず、法王転倒の過大報道の結果として甘受する以外にないだろう。