英大衆紙サンはウィーンに本部を置く包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)の英国人職員の自殺(20日)を報じ、「自殺ではない。事件の背後にはイランの核問題が絡んでいる」といったサン流の憶測記事を報じた。CTBTO職員の自殺から10日以上過ぎたが、国連内では依然、さまざまな噂が流れていることは事実だ。
CTBTOの友人は「彼の死はイランの核問題とはまったく関係がない。彼の自殺の主因は過労だ。彼は仕事に追われ、疲れきっていったからね」と説明する。
知人によると、ホフマン事務局長の退陣後、トート現事務局長時代に入って、職員へのヒューマン・ケアが疎かにされてきた。自殺した同僚は、職員への配慮やいたわりといった人間的な温かみのない国連生活で、仕事だけに追われていったという。
CTBTは署名開始から13年が過ぎたが、条約は発効していない。条約発効に署名・批准が不可欠の44カ国の内、米国を含む9カ国が依然、署名ないしは批准を完了していないからだ。
正式に発足していない国連機関に働く職員は国際原子力機関(IAEA)職員とは違った苦労がある。例えば、雇用条件だ。いつ解雇されるか分らないうえ、雇用契約が延長されるかどうかも不明だ。当方は過去、CTBTOを解雇された職員からさまざまな“恨み節”を聞いたことがある。
今回自殺した職員(47)には家族がある。子供もいたという。それだけに、彼のうえには仕事以外でも多くのストレスがあったのに違いない。精神的、内面問題などについて相談できる機会がなかったのだろうか。
CTBTO職員にとって、最大の課題は条約の早期発効であることは当然だが、機関で働く職員のケアにも心を砕ける余裕が指導部に必要だろう。職員(人材)はその組織の宝だからだ。
CTBTOの友人は「彼の死はイランの核問題とはまったく関係がない。彼の自殺の主因は過労だ。彼は仕事に追われ、疲れきっていったからね」と説明する。
知人によると、ホフマン事務局長の退陣後、トート現事務局長時代に入って、職員へのヒューマン・ケアが疎かにされてきた。自殺した同僚は、職員への配慮やいたわりといった人間的な温かみのない国連生活で、仕事だけに追われていったという。
CTBTは署名開始から13年が過ぎたが、条約は発効していない。条約発効に署名・批准が不可欠の44カ国の内、米国を含む9カ国が依然、署名ないしは批准を完了していないからだ。
正式に発足していない国連機関に働く職員は国際原子力機関(IAEA)職員とは違った苦労がある。例えば、雇用条件だ。いつ解雇されるか分らないうえ、雇用契約が延長されるかどうかも不明だ。当方は過去、CTBTOを解雇された職員からさまざまな“恨み節”を聞いたことがある。
今回自殺した職員(47)には家族がある。子供もいたという。それだけに、彼のうえには仕事以外でも多くのストレスがあったのに違いない。精神的、内面問題などについて相談できる機会がなかったのだろうか。
CTBTO職員にとって、最大の課題は条約の早期発効であることは当然だが、機関で働く職員のケアにも心を砕ける余裕が指導部に必要だろう。職員(人材)はその組織の宝だからだ。