米国発の金融危機が世界を席巻して以来、バチカン法王庁は「エゴ中心の資本主義経済の限界」を頻繁に指摘してきた。一方、旧ソ連・東欧諸国では市場経済システムへの失望と国家管理経済への復帰を求める声が一時高まったほどだ。
そのような中、バチカンの日刊紙オッセルバトーレ・ロマーノは15日付の社説で、「イスラムの金融システムは世界で最も安定した金融体制だ」と指摘し、投機や先物取引に走る西欧金融界が大きな試練に直面している中、イスラム金融システムは拡大を続けていると称賛している。
イスラム金融システムがグローバルな金融システムを網羅している、という評価は今日、定着しつつある。バチカンのイスラム金融システム評価はそのような流れから出てきたもので、決して特出したものではない。
イスラム経済ではシャリーア(イスラム法)に基づき、リバー(利子)は禁止される一方、資金を有する富める者には喜捨が求められている。ただし、会社や銀行が利潤を追求することは認められ、それを投資家と企業側間で公平に配分する。その一方、実体経済とかけ離れたデリバティブ(金融派生商品)、ヘッジファンドや先物取引のようなマネーゲームは認められていない。
ただし、イスラム金融システムが西側の資本主義金融システムより優れている、とは即断できない。バチカン日刊紙が指摘するように、「実際のイスラム社会では貧困とインフラの未整備などで国民経済は伸び悩んでいる」からだ。
ローマ法王べネディクト16世は新年の礼拝の中で、「金融危機は現行の経済システムが改革を必要としていることを教えている」と述べ、経済活動での人間性の復帰を呼びかけている。
そのような中、バチカンの日刊紙オッセルバトーレ・ロマーノは15日付の社説で、「イスラムの金融システムは世界で最も安定した金融体制だ」と指摘し、投機や先物取引に走る西欧金融界が大きな試練に直面している中、イスラム金融システムは拡大を続けていると称賛している。
イスラム金融システムがグローバルな金融システムを網羅している、という評価は今日、定着しつつある。バチカンのイスラム金融システム評価はそのような流れから出てきたもので、決して特出したものではない。
イスラム経済ではシャリーア(イスラム法)に基づき、リバー(利子)は禁止される一方、資金を有する富める者には喜捨が求められている。ただし、会社や銀行が利潤を追求することは認められ、それを投資家と企業側間で公平に配分する。その一方、実体経済とかけ離れたデリバティブ(金融派生商品)、ヘッジファンドや先物取引のようなマネーゲームは認められていない。
ただし、イスラム金融システムが西側の資本主義金融システムより優れている、とは即断できない。バチカン日刊紙が指摘するように、「実際のイスラム社会では貧困とインフラの未整備などで国民経済は伸び悩んでいる」からだ。
ローマ法王べネディクト16世は新年の礼拝の中で、「金融危機は現行の経済システムが改革を必要としていることを教えている」と述べ、経済活動での人間性の復帰を呼びかけている。
