迫害されるキリスト者救援組織「オープン・ドアーズ」(本部・米カリフォルニア州サンタアナ)が今月初めに発表した最新の「迫害度数」によると、北朝鮮は7年連続で「最も迫害がひどい国」に選ばれたことが明らかになった。
最新報告書は「北朝鮮ほどキリスト者が迫害、弾圧されている国は世界にない」と指摘し、「北の20万人から50万人と推定されるキリスト者たちは自身の信仰を地下で行わなければならない。多くのキリスト者はその信仰ゆえに労働収容所に送られている」と述べている。
また、「北朝鮮では金親子が神のように崇拝され、キリスト教信仰は政権を脅かす外国勢力と受け取られている」と分析している。
それらの内容は周知のことだが、改めて、「北が世界でも特異な国」という感慨を受ける。
この機会を利用して、「北が無宗教国家でない」という点を考えてみたい。北朝鮮は故金日成・金正日親子を「神」として絶対崇拝する宗教国家だ。「あれか、これか」といった相対的価値観で生きる西側の国々ではもはや見られない「絶対主義」がまだ支配している国だ。
一方、相対的価値観が席巻する現代社会では、宗教は最早その真価を発揮できない。そのため、欧米では宗教は低迷を余儀なくされてきた。このことは世界最大のキリスト教派、ローマ・カトリック教会の現状をみても分ることだ。宗教の絶対的価値観は「正教分離」という名目のもとで失われていったのだ。
誤解を恐れずにいえば、北朝鮮では依然、われわれが失って久しい「宗教の絶対主義」がみられる。その意味でも北は「特異な国」だ。同時に、北が7年連続、最悪のキリスト者迫害国となっている主因でもある。「金親子教」は他宗派と共存できないからだ。
北朝鮮の政情分析が難しいのは、情報が限られているからだけではない。絶対的価値観が支配する国を相対的価値観で分析しようとするからだ。「軍部の台頭」「党の支配」といった状況分析は、絶対主義が支配する北では本来、考えられないことなのだ。
最新報告書は「北朝鮮ほどキリスト者が迫害、弾圧されている国は世界にない」と指摘し、「北の20万人から50万人と推定されるキリスト者たちは自身の信仰を地下で行わなければならない。多くのキリスト者はその信仰ゆえに労働収容所に送られている」と述べている。
また、「北朝鮮では金親子が神のように崇拝され、キリスト教信仰は政権を脅かす外国勢力と受け取られている」と分析している。
それらの内容は周知のことだが、改めて、「北が世界でも特異な国」という感慨を受ける。
この機会を利用して、「北が無宗教国家でない」という点を考えてみたい。北朝鮮は故金日成・金正日親子を「神」として絶対崇拝する宗教国家だ。「あれか、これか」といった相対的価値観で生きる西側の国々ではもはや見られない「絶対主義」がまだ支配している国だ。
一方、相対的価値観が席巻する現代社会では、宗教は最早その真価を発揮できない。そのため、欧米では宗教は低迷を余儀なくされてきた。このことは世界最大のキリスト教派、ローマ・カトリック教会の現状をみても分ることだ。宗教の絶対的価値観は「正教分離」という名目のもとで失われていったのだ。
誤解を恐れずにいえば、北朝鮮では依然、われわれが失って久しい「宗教の絶対主義」がみられる。その意味でも北は「特異な国」だ。同時に、北が7年連続、最悪のキリスト者迫害国となっている主因でもある。「金親子教」は他宗派と共存できないからだ。
北朝鮮の政情分析が難しいのは、情報が限られているからだけではない。絶対的価値観が支配する国を相対的価値観で分析しようとするからだ。「軍部の台頭」「党の支配」といった状況分析は、絶対主義が支配する北では本来、考えられないことなのだ。