ウィーン発 『コンフィデンシャル』

 ウィーンに居住する筆者が国連記者室から、ウィーンの街角から、国際政治にはじまって宗教、民族、日常の出来事までを思いつくままに書き送ります。

2009年02月

北、7年連続「最悪宗教迫害国」

 迫害されるキリスト者救援組織「オープン・ドアーズ」(本部・米カリフォルニア州サンタアナ)が今月初めに発表した最新の「迫害度数」によると、北朝鮮は7年連続で「最も迫害がひどい国」に選ばれたことが明らかになった。
 最新報告書は「北朝鮮ほどキリスト者が迫害、弾圧されている国は世界にない」と指摘し、「北の20万人から50万人と推定されるキリスト者たちは自身の信仰を地下で行わなければならない。多くのキリスト者はその信仰ゆえに労働収容所に送られている」と述べている。
 また、「北朝鮮では金親子が神のように崇拝され、キリスト教信仰は政権を脅かす外国勢力と受け取られている」と分析している。
 それらの内容は周知のことだが、改めて、「北が世界でも特異な国」という感慨を受ける。
 この機会を利用して、「北が無宗教国家でない」という点を考えてみたい。北朝鮮は故金日成・金正日親子を「神」として絶対崇拝する宗教国家だ。「あれか、これか」といった相対的価値観で生きる西側の国々ではもはや見られない「絶対主義」がまだ支配している国だ。
 一方、相対的価値観が席巻する現代社会では、宗教は最早その真価を発揮できない。そのため、欧米では宗教は低迷を余儀なくされてきた。このことは世界最大のキリスト教派、ローマ・カトリック教会の現状をみても分ることだ。宗教の絶対的価値観は「正教分離」という名目のもとで失われていったのだ。
 誤解を恐れずにいえば、北朝鮮では依然、われわれが失って久しい「宗教の絶対主義」がみられる。その意味でも北は「特異な国」だ。同時に、北が7年連続、最悪のキリスト者迫害国となっている主因でもある。「金親子教」は他宗派と共存できないからだ。
 北朝鮮の政情分析が難しいのは、情報が限られているからだけではない。絶対的価値観が支配する国を相対的価値観で分析しようとするからだ。「軍部の台頭」「党の支配」といった状況分析は、絶対主義が支配する北では本来、考えられないことなのだ。

崩れ始めたローマ法王の権威

 ローマ法王べネディクト16世から補佐司教に任命されたオーストリア教会リンツ教区のワーグナー神父(54)が15日夜、「教会内外に自分の任命に強い反発がある」として任命辞退を決定したと表明した。同国のカトプレスによると、「べネディクト16世はワーグナー神父の任命辞退願いを既に受理した」という。同国の多くの日刊紙は16日付朝刊で、「ワーグナー氏、任命辞退」のニュースを1面トップで報じている。
 ワーグナー神父についてはこの欄でも数回、紹介した。同神父は、ハリケーン・カトリーナ(2005年8月)が米国東部のルイジアナ州ニューオリンズ市を襲い、多くの犠牲者を出したことについて、「同市の5カ所の中絶病院とナイトクラブが破壊されたのは偶然ではないだろう」と述べ、「神の天罰が下された」と宣言して憚らないカトリック根本主義者だ。最近では、「同性愛者は病人だ。治療できる」と語り、大きな波紋を投じたばかりだ。
 予想されたことだが、ワーグナー神父の発言に対し、同性愛者の文化人や芸能人から一斉に反発が飛び出してきた。有名な同性愛者の芸能人は「私は病気ではない」と抗議しているほどだ。
 当方はワーグナー神父の同性愛者の病人発言を大筋で誤りではないと考えるが、「教会と政治」の分離が進み、世俗化社会が定着している欧州社会では、同神父のような発言はリベラル派から激しい攻撃の的となるのは至極、当然だろう。教会側は「なぜ、同性愛が問題か」を丁寧に説明しなければならない。早急な結論だけの発言は今回のような騒動を誘発させるだけだ。
 ところで、今回の任命辞退劇は、保守派神父が教会内外のリベラル派の攻撃に屈した、という内容より、もっと大きな問題を内包してる。すなわち、任命者・ローマ法王の権威の失墜が具体的に始まったということだ。
 リベラル派は今回の件で自信を深め、今後、法王の人事にさらに口を挟むだろう。もはや、ローマ法王の任命権も覆す事ができるのだ、という考えが時間の経過と共に教会内外で定着することは想像に難くない。「法王の絶対性」「法王の不可謬説」というドクマは今、崩れ始めてきたのだ。

「たかがサッカー」というなかれ

 欧州諸国では本格的なサッカーシーズンが始まった。欧州ではサッカーは通常、国民スポーツだ。そのナショナル・チームは国の名誉をかけ欧州サッカー選手権や世界サッカー選手権(W杯)の出場権をかけ他国のナショナル・チームと戦う。国民は会場に出かけたり、テレビ観戦で応援する。
 2010年の南アフリカ開催のW杯の出場権をかけたグループ戦もいよいよ正念場を迎えるが、その国民スポーツのサッカーのナショナル・チームが試合の度に敗北した場合、国民はどのように感じるものだろうか。具体的には、当方が厄介になっているオーストリアの国民の場合だ。
 オーストリアは昨年の欧州選手権ではスイスと共に主催側であったので自動的に出場権を得たが、来年、南アフリカで開催されるW杯出場は予選を勝ち抜かなければならない。しかし、昨年から始まった予選で元世界チャンピオンのフランス・チームに勝ったのは奇跡だが、その後の試合で敗北を繰り返し、W杯出場の夢はもはや現実的でなくなったのだ。
 チェコ前ナショナル・チーム監督のブルックナー氏を抜擢してチームのレベルアップを図ったが、その結果は目に見えないばかりか、成績不振で同監督の更迭の噂が絶えない、といった現状だ。それだけではない。オーストリア・サッカー協会も数日前まで辞任した会長探しでドタバタ劇を演じてきたばかりだ。愛国心のあるサッカー・ファンも次第に「わがチームはW杯には出場できない」という諦めが出てきた。
 ところで、国民スポーツのサッカーで敗北を繰り返す場合、そのダメージはチームだけではなく、国民全般にも影響を及ぼすものだ。大げさにいうならば、国民経済にも影響が考えられる。米国発の金融危機の影響で厳しくなった国民経済もサッカーのナショナル・チームが勝利を重ねていくならば、国民に明日への希望を与えることができる。しかし、逆に敗北を重ねていくならば、国民に言い知れない敗北感を与えることは想像に難くないことだ。「たかがサッカー」というべからずだ。国民スポーツのサッカーは多くの欧州人にとって、‘生活の糧‘であるからだ。

フサーク元大統領の追悼碑

 オーストリア代表紙プレッセによると、旧チェコスロバキア共産政権最後の大統領、グスタフ・フサーク氏の追悼碑を同氏の出身地(ブラチスラバ市ドブラヴカ区)に建立する計画が進められているが、共産政権時代の元反体制派活動家から反対の声が挙がっているという。
 チェコでは1968年の自由化路線が旧ソ連軍の軍事介入で後退した後、ソ連のブレジネフ書記長の後押しを受けて「正常化路線」を標榜して権力を掌握したのがフサーク氏だ。同氏は当時のソ連共産党傀儡政権の大統領として国民を弾圧していった。だから、当時の反体制派運動をしていた国民にとって、フサークという名は苦い思いなくして想起できないのだ。そのフサーク氏の追悼碑を建立するということは、到底受け入れられないわけだ。
 それに対し、建立促進派は「フサーク氏は共産政権大統領であったが、ヒトラー時代の反ファシズムの戦闘家として民族に貢献した」と主張する。
 フサーク氏に関して、後日談がある。同氏は死の直前、1991年11月、ブラチスラバ病院の集中治療室のベットに横たわっていた時、同国カトリック教会の司教によって懺悔と終油の秘跡を受け、キリスト者として回心した。この話は、国民に当時大きな衝撃を与えた。チェコ共産党政権下では、東欧諸国の中でも最も激しい宗教弾圧が行われたが、それを指導していたのはフサーク氏だったのだ。そのフサーク氏が死の直前、迫害してきたキリストを受け入れたからだ。
 フサーク氏は反ファシズムの戦闘家、共産党政権下の独裁者、そして最後に、一キリスト者としてその生涯を終えたわけだ。その言動の是非は歴史家に委ねるとして、同氏の生涯は波乱万丈だったわけだ。
 プレッセによると、追悼碑建立問題で市議会は「過半数が建立支持」だ。予定通りにいけば、追悼碑は今年5月1日のメーデーまでに完成するという。

金総書記の後継者決定は近い?

 北朝鮮最高指導者・金正日労働党総書記の後継者発表が案外、近いのかもしれない。
 駐オーストリアの北朝鮮大使館で12日午後5時半、金正日労働党総書記67歳の誕生日祝賀会が開催されたが、同大使館前の写真掲示板には、「金総書記、革命の継続者の若者たちに期待」という説明付の写真が掲載されていたのだ。
 総数26枚の写真には、金総書記が北の青年たちと談笑しているところ、第49回国際数学オリンピアで優勝した北の学生たちの姿、金日成総合大学の学生たちの様子などが写されている。いずれも「金総書記が革命の継続者として若者たちに期待している」というのが主要テーマだ。
 金総書記の誕生日祝賀会用の写真は過去、同総書記の功績称賛がそのテーマだった。それが今回、「革命の継続者の若者たち」に焦点が当てられていたのだ。そのことから、「金総書記の後継者発表の布石ではないか」といった憶測が聞かれるほどだ。
 ちなみに、祝賀会のゲストの数は26人。主に「オーストリア・北朝鮮友好協会」メンバー。その他、オーストリア連邦労働組合左翼同盟(GLB)事務局長オリバー・ヨニシュカイト氏、5年前に閉鎖された北朝鮮の欧州唯一の直営銀行「金星銀行」の2人の元職員らも姿を見せた。外国の大使館からは、駐オーストリアの中国大使館から参事官が顔見せただけだ。ゲストの規模からいうならば、「寂しい」祝賀会となった。
 国連機関やオーストリア外務省からは参加者がいなかった。国際社会で独裁者と呼ばれている指導者の誕生日祝賀会ということもあって、昨年の北建国60周年祝賀会に顔を出した面々も今回は招待辞退が多かったわけだ。

「羊飼い」と「羊たち」の関係

 当方は先月、「オーストリアで昨年度、ローマカトリック教会脱会者数が増加した」と報じたばかりだが、リンツ教区のワーグナー神父の補佐司教任命が今月初めに明らかになると、教会に背を向ける信者たちがオーストリア全土で増加してきた。同国日刊紙が11日付で一斉に報じた内容だ。
 ワーグナー神父(54)の補佐司教任命についてはこの欄でも紹介した。同神父は、世界の子供たちを虜にしているハリー・ポーターの本を「悪魔の業だ」と一蹴し、ハリケーン・カトリーナ(2005年8月)が米国東部のルイジアナ州ニューオリンズ市を襲い、多くの犠牲者を出したことについて、「同市の5カ所の中絶病院とナイトクラブが破壊されたのは偶然ではないだろう」と述べ、「神の天罰が下された」と宣言して憚らないカトリック根本主義者だ。最近では、「同性愛者は病人だ。治療できる」と語り、大きな波紋を投じている。
 同神父の補佐司教任命について、教区の信者たちばかりか聖職者の中からも「理解できない」「教会を分裂させる人事だ」といった批判が飛び出してきた。平信者たちの教会刷新運動「わたしたちは教会」は信者たちに教会税の支払い拒否を呼びかけているほどだ。
 例えば、リンツ市のオーバーエスタライヒ州では先週1週間だけで110人のカトリック信者が脱会。ウィーン大司教区では今年に入り既に1582人が脱会している、といった具合だ。
 注目すべき点は、信者たちの反応が予想以上に早いことだ。教会脱会は多くの信者にとって決して容易なことではなく、長く悩んだ末に決定する、というのがこれまでのパターンだった。それがインターネット時代の今日、聖職者の性スキャンダル事件が暴露されると、その翌日から信者たちの教会脱会が急増する、といった状況だ。
 羊飼い(聖職者)が問題の対応で手間取っていると、牧場(教会)に羊たち(信者たち)が1匹(1人)もいなくなるのではないか、といった懸念も考えられるほどだ。

金総書記67歳誕生祝賀会開催へ

 駐オーストリアの北朝鮮大使館で12日夜、同国最高指導者・金正日労働党総書記の67歳の誕生日祝賀会が開催される。実際の誕生日は今月16日だが、海外の祝賀会はその数日前に開かれるのは常だ。
 金総書記の公開活動の回数は今年に入って既に20回を越えたというからスゴイ。米オバマ政権との交渉を控え、健康悪化説を懸命に払拭している、といった印象を与えるほどだ。北側が流す映像や写真を見る限り、金総書記は脳卒中の後遺症で歩行や会話が難しくなっている、ということはないようだ。
 北朝鮮の国営朝鮮中央通信社(KCNA)によると、オーストリアでも先月、祝賀会準備委員会が設置され、16日に備えてきたという。故金日成主席の誕生日(4月15日)と共に、金総書記の誕生日は同国最大の祝日だ。
 準備する側の大使館関係者もゲストの招待から接待、平壌に送るプレゼントまで、祝日を迎えるまでクリアしなければならない課題は少なくない。2月と4月の金親子の誕生日祝日は同国外交官にとっては、休む暇もない、ストレス多い時期といえるだろう。
 ところで、祝賀会に招かれるゲストは、国連機関関係者、オーストリア外務省アジア担当者、ビジネス関係者、大学教授、そして「オーストリア・北朝鮮友好協会」のメンバーたちだ。外国大使館からは、駐オーストリアの中国大使館が公使級の外交官を派遣する程度だ。
 もちろん、ジャーナリストは“招かざる客”だ。数年前、オーストリア国営放送の中国・北朝鮮専門記者とオーストリア通信社記者が招かれていたが、例外だ。

「幸せな人」へのアプローチ

 若い時、「人が誰でも幸せを求めているものだ」といわれても、「それはそうですね」といった感慨以上はなかったが、還暦が視野に入る年齢になると、「そうだね。本当にそうだね」という思いが溢れてくる。そして「幸せになりたい」と真剣な顔でいう人に出会ったなら、涙を抑えることができなくなる。
 若い時、哲学者や著名人の「幸福論」を読んだものだ。アランからヒルティ、そしてショーペンハウエルまで目を通したが、「幸福論」を読んでいた若い時代、「幸せ」が分らなかった。
 若い時、「死の欲望」(タナトス)や「破壊への衝動」といったフロイト流の言葉にそれなりの魅力を感じたが、少し生き続けていくと、それらの言葉にもはや心が惹かれなくなった。実体と乖離を感じるからだけではない。「幸せになりたい」という思いが若い時より強くなったからだ。死に急いだとしても、幸せになれないことが分るからだ。
 当方が幸せを求めているように、側にいる人も同じように「幸せ」を探しているはずだ。「私たちは幸せを求めています」と宣言し、手を結ぶ事が出来れば心強いことだろう。
 問題は、どうすれば幸せになれるかだ。金、地位、名誉もこの社会を生きていく上では必要かもしれないが、「幸せな人」は案外、これらのものから程遠い。

 それでは、どのような状況の時、幸せを感じるのだろうか。
 「人は無意識のうちに、自分を特別視する。換言するならば、宗教の世界で『召命感』(vocational consciousness)と呼ばれる存在への拘りがある。幸せは、その内なる召命感を何らかの形で満たした時、強く感じるのではないか。逆にいえば、召命感もなく生きていく人生は、倦怠感と空しさにいつしか押しつぶされていく」

 当方は現在、「人は誰も召命された存在だ」と考えている。そのように考えることで、苦悩を克服し、幸せに通じる道が開かれると思うからだ。

故郷でも人気後退のローマ法王

 ローマ・カトリック教会最高指導者、ローマ法王ベネディクト16世は法王就任直後、出身地ドイツではポップスター並みの人気を享受してきた。バイエルン州のマルクトル・アム・インにある法王の生家には巡礼者が殺到し、1日の訪問者数の最高は700人を上回ったこともあった。カリスマ性があり、世界的に人気があった前法王ヨハネ・パウロ2世の生家は、出身地ポーランドでは久しく信者たちの巡礼地となっているが、学者法王ベネディクト16世の故郷での人気もそれに劣らないほど高かったのだ。
 それがここにきて法王の生家を訪れる巡礼者の数が減少してきたばかりか、法王の生家をあてにして、様々な町興し計画が立てられていたが、時間の経過と共に一つ、二つと計画は消滅していったという。法王の出身地をルポしたオーストリア日刊紙ザルツブルガー・ナハリヒテンの記者は2月6日付でその辺の経緯をかなり詳細に報じている。
 べネディクト16世は先月、カトリック教会根本主義者故ルフェーブル大司教の聖職者グループ「兄弟ピウス10世会」の4人の司教に対する破門宣言を撤回する教令を出したが、4人の司教の中にホロコーストを否定する発言をした聖職者(英国のリチャード・ウイリアムソン司教)が含まれていたことから、世界のユダヤ人から激しいブーイングを受けたばかりだ。それだけではない。ドイツ人の法王誕生をあれほど喜んでいたドイツ国内からも法王批判の声が飛び出してきたのだ(例・メルケル首相の批判)。
 82歳の誕生日(4月16日)を間近に控え、べネディクト16世は法王就任以来、最大の危機に直面している。同16世は歴代法王の中でも最高の知性の持ち主と称され、“学者法王”“ベストセラー作家法王”などと呼ばれてきたが、人事を含む具体的な決定では、包容力のない、排他的な超保守派法王であることを図らずも露呈してしまったからだ。

国連での資金拠出国の力

 ウィーンの国連都市には、麻薬問題を担当する機関として、国連薬物犯罪事務所(UNODC)と国際麻薬統制委員会(INCB)の2機関がある。両機関とも年に1度、「年次報告」を公表する。
 ところで、北朝鮮の麻薬問題について両機関でそのスタンスが違うことはこのコラム欄でも紹介したことがある。前者のコスタ事務局長は「北朝鮮の不法麻薬問題は懸念される」と指摘し、「平壌当局が国家レベルで不法麻薬活動に関与している可能性がある」と見ている。
 一方、INCBはコウアメ事務局長は「北朝鮮当局が直接関与した不法麻薬問題はこれまで実証されたことがない」という立場を堅持し、「北当局は国際麻薬条約に加盟し、国内の法体制の整備に乗り出している」と、北側の努力を評価しているほどだ。
 INCB関係者は「米国側が北の麻薬犯罪を明らかにした場合、米当局にその情報の開示を要求してきたが、返答を受け取ったことがない」という。にもかかわらず、UNODCは米国側の主張に沿って、「北朝鮮当局の関与」を主張し、メディア機関に公表することが多い。
 両機関の見解の違いの理由がこのほど分った。国連事情通によれば、「UNODCの活動の80%以上が特定国から資金提供を受けたプロジェクトだ。だから、どうしても資金提供国の意向が強く反映する。一方、INCBの予算は通常予算の分担金をニューヨークから受け取るだけだ。だから、特定の加盟国から圧力を受けることが少ない」という。簡単にいえば、UNODCでは最大資金供給国の米国の意向がどうしても強く反映するというわけだ。
 「世の中は金が全てではない」というが、国連の場合、案外、「金(資金)がものをいう世界」かもしれない。ただし、米国について国連通常予算の20%弱を供給する日本が、その金の力をまだ十分に利用していないのは、日本外交官の怠慢のせいであろうか。
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